「レンタル彼氏」
この言葉を聞いたことがある人は多いと思う。しかし実際にレンタル彼氏をやってる/使ったことがある方は周りにいないのではないだろうか。
ある日、僕の元にこんなメッセージが届いた。
「中島さんこんにちは!僕、レンタル彼氏やってるんです。ぜひお話聞いてください。ネタになると思います。」
なんと読者の方にレンタル彼氏経験者がおりその方から直々にメッセージが来たのだ。このチャンスを逃すまい。
1月某日、都内のとあるカフェにてレンタル彼氏をやっているカケルさん(仮名)にインタビューをしてきた。
1.レンタル彼氏ってどうやってなるの?
“まずお聞きしたいのですがレンタル彼氏とはどういうものなんですか?“
“大きく分けて2種類あります。ひとつは面接なしで、こちらがお金を払ってサイトに掲載して依頼を待つタイプのものです。掲載されて、依頼が来たら女性とやりとりして、実際に会うって感じです。もうひとつは、出張ホストです。店に雇われる形で働きます。研修もあってかなり厳しいようです。怪しいサイトも多いので僕は前者を使いました。“
“なるほど。なんていうサイトを使ってたんですか?“
“僕が登録したのは「フレンタ」っていうサイトです。表向きは友達をレンタルするサービスなんですけど、事実上レンタル彼氏のサイトになってます。ここは運営がしっかりしていて、安心な感じがしました。クチコミを見て大丈夫そうだと思って始めました。“
フレンタでは、遊びたいとき、愚痴聞いて欲しいとき、付き添って欲しいとき、人手がほしいとき、飲み会のマンネリを解消したいと…
“かなり健全な感じがしますね。登録してから実際に会うまでの流れを教えてください。“
“サイトに登録したら女性からメッセージが来るのを待ちます。来たらフレンタ内でメッセージのやりとりができるようになるので、そこでやりとりしてから具体的に会う日程などを決めるといった流れです。
“そうなんですね。料金はどれくらいなんですか?“
“料金は自分で決められます。僕は初めは交通費に加え1時間1000円で設定してました。ランキングの上位を見てると1時間あたり大体500〜2000円で設定している人が多いです。“
“ランキングがあるんですか。“
“はい。フレンタ内のいいねの数でランキングが決まります。これが結構重要でランキングが上位でないと女性からのメッセージがなかなか来ません。上位になるためにプロフィールを充実させたり、メッセージにすぐ返信したりすることが大事です。プロフィールのクリック数も関係しているんじゃないかと思います。“
“マッチングアプリみたいに工夫がいるんですね。ちなみにカケルさんはランキングはどのくらいだったんですか?“
“僕は最高2位までいきました。“
“すごいw“
“2位になったので1時間あたり3000円に値上げしましたが、高すぎて依頼が来なくなりました。始める方は注意してください笑“
2. レンタル彼氏のヤバいエピソード
“実際にどんな人にレンタルされたんですか?“
“最初に会った人の話なんですが、いきなり顔も年齢もわからない相手からメッセージが来たんです。やりとりして実際に会うことになったんですけど、念のため会う前に友人に連絡しておきました。もし自分に何かったらここに助けに来てくれって笑“
“怖いですもんね。
とんでもないヤバい人が来るかと思いきや、案外普通な感じの人が来ました。年齢は30〜40歳くらいで若い頃綺麗だった面影のある方でした。
“店に入ってから、話はかなり盛り上がりました。聞いてみたら、向こうには家庭もあって、娘さんもいらっしゃるとのことでした。そのときは旦那さんが単身赴任されてて寂しいって言ってました。“
“なるほど。
“そのまま時間が来るまで話してました。会うのは2時間の予定だったんですけど、帰り際にホテルに誘われまして…実際きついなと思ったんですけど経験のために行ってみました。
“え、行ったんですか?!
“はい。とはいえ、きつかったです…自分が会いたくて会っている人ではないので。お金はもらってますが1時間1000円ってのは割りに合わないなと思いました。
“なるほど...
“それから数日経って二人目の方に会ったんですけど“
“よく懲りずに次に行ったな。
“二人目は28歳の方でした。僕は電話は無料に設定して誰でも気軽に通話できるようにしてたんですが、彼女から深夜2時とかに電話が来るんです。電話してみたら、別れ話を聞いてほしいってことで朝まで聞いてました。3年付き合った彼氏が急に出て行って、そこから1年くらいずっと病んでいたみたいで。“
“それから深夜に何回も電話が来て辛かったんですが、話し方がとても上手で、こういう人だったら会ってもいいかなってことで会いに行きました。“
“なるほど。
“でも会う日に台風がきて延期になってしまいました。別日に設定したんですけど、それまでに僕の返信が遅かったり、電話ができなかったりしてとても怒られたんです。“
“その他にも夜中に大量にLINEが来たり、理不尽なことでキレられたりしました。完全なメンヘラでした。結局その人とは会わないことになりました。時間を無駄にしたなって感じでした。
“それでキレられるのは理不尽だな...“
“そのままフレンタを続けてたら、その一ヶ月後に別の女性からメッセージが来たんです。写真とかも違ってたんですけど、やりとりしてるうちに、この人絶対この前のメンヘラの人だって思ったんです。文章の送り方とか一緒で。単刀直入に聞いてみたらやっぱりその人でした。
“え、別人になりすましてメッセージ送ってきたんですか。怖すぎ…会う前に気づけてよかったですね。
“結局面白そうだったので会いに行ったんですけど“
“行ったのかよ。メンタル強すぎる。
“公園のベンチで待ち合わせしたいってことで会いに行ったら案外綺麗な方でした。ご飯に行くかと思ってたら、そのまま3時間くらい公園のベンチで座って話しました。冬だったので寒くて死にそうでした。
“ひたすら元彼の話を聞かされた挙句、途中で泣き出してしまって、かなりカオスでした。帰り際には、次会ったら好きになりそうって言われて、断ったんですけどすごく何度もごねられました。“
“カオスすぎる。
“僕はあくまで仕事でレンタルされてるだけだから好きにはならないってキッパリ言ったんです。でもいざ必死な相手の顔を見ると、自分は何をしてるんだろうって心が苦しくなりました。
“結局帰った後、LINEでキレられてそのまま連絡がなくなりました。めっちゃ疲れました。
“それは辛い...確かに仕事は言え割り切るのは並大抵のメンタルじゃできませんよね...
3. レンタル彼氏で得たこと学んだこと
“めちゃくちゃ大変な思いをされましたが、レンタル彼氏で学んだことは何かありますか?
“年上の女性の扱い方ですね。レンタル彼氏を使う女性はなぜか自虐が多いんです。それに対してどう返せばいいかを学べました。“
“自虐にどう返せばいいかって難しいですよね。“
“僕の答えとして「そんなことないですよ」って答えるより、言い換えて肯定してあげる方がオススメです。例えば「私なんておばさんだから」って自虐してくる人には「僕は大人の女性で落ち着いている人が好きです」と答えるようにしてます。“
“確かに。それだと受け取る印象が全然違いますね。
“あとは相手の年齢には絶対に触れないことも大事です。音楽の話も絶対にしません。相手の年齢が分かるからです。ジェネレーションギャップを感じさせてしまうとガッカリさせてしまいます。基本的には自分が好きなことやオススメの映画の話をしていれば大丈夫です。“
“すごい理にかなってますね...勉強になります。
“レンタル彼氏をやってみて、世の中には寂しくてたまらない人がたくさんいると実感しました。自分の知らない世界を体験することができました。“
“一方でお金を貰ってる対価として自分の心を切り売りすることの辛さを学びました。好きでもない相手の彼氏を演じて、より長い時間一緒にいてお金をもらうために自分を偽ることは、想像以上に心にダメージを受けました。ホストを続けられている人は本当にすごいと思います。“
“結論、バイトより稼げるかと言えばそうではありません。自分の経験のためにやる側面が強かったです。自分の知らない世界を知るにはいいかも知れません。どんな人に会うかにもよりますが、心が辛くなるタイミングもあると思います。上手にレンタル彼氏を活用してください。“
“なるほど...貴重なお話ありがとうございました!“
いかがでしょうか。レンタル彼氏を始めることで知らない世界を体験できるのかも知れません。
今回インタビューしたカケルさんのTwitterはこちらから。
レンタル彼氏を始めてみたい方はこの機会にやってみてはいかがでしょうか。ただ自分の心と体は大切にしてくださいね。自分を偽って人と関わるのは、想像以上に心と体を病むものですので...
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