経済学に『フリーランチはない』という用語があるのをご存知だろうか?僕も最近この言葉を知って調べてみた。
『うまい話はこの世にない』がこの言葉の意味するところらしい。『タダで何かを手に入れることはできない』と解釈することもできる。
『フリーランチはない』という特徴的なフレーズは、ハインラインという作家のSF小説『月は無慈悲な夜の女王』で有名になった”There ain't no such thing as a free lunch.”という格言に由来する。
かつて酒場で「飲みに来た客には昼食を無料で振る舞う」という宣伝が行われたが、「無料の昼食」の代金は酒代に含まれていて実際には「無料の昼食」なんてものは有る訳がないだろう、というシーンから引用されたとのことだ。
経済学では有名なこの言葉だが、さて、本当に現実世界にフリーランチは存在しないのだろうか。
パッと思いつく人もいるかと思うが、文字通りのフリーランチ=タダメシを食らうチャンスはいろいろなところに転がっている。例えばPayPayとかメルペイのキャンペーンで、ポイントバックで実質無料で食べることができたり。
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— 意識高い系中島 (@Nakajima_IT_bot) March 12, 2020
これは紛れもなくフリーランチなわけだけど、もちろんサービスを提供する企業側も身銭を切ってボランティアで僕らにタダメシを振る舞ってるわけじゃなく、キャンペーンでユーザーを増やして、将来的にお店から決済手数料をもらったりユーザーの購買データを集めてマーケティングに活かしたりするわけで、ばらまくお金以上のリターンを見込めるからやってるわけである。
ただし、先ほどの酒場の例と違って、僕らは全くお金を払わない。完全なるフリーランチなわけで、この点で言えば現実世界でもフリーランチは存在すると言える。皆さんはタダでランチが食べられますよ、でも僕らもきっちりリターンを確保しますよ、皆さんに直接見えないところでね、というわけである。
同様に一見タダに見えるサービスも、当たり前だけでサービス提供者側が利益を得るためにキャンペーンを打っている。僕のこの記事も無料で読めるけど、広告が貼ってあって収益が発生してたりする。他にもパッと皆さんが無料で使っているものを思い浮かべて欲しい。TwitterだったりインスタだったりTikTokだったり。無数にある。それら全てが無料で使える代わりに広告が貼ってあったり、ユーザーデータを獲得してマーケティングに活かしていたりと、当然何らかの形で収益につなげている。他にもリクナビとか就活サービスも、サイト経由で採用が決まると企業から一人当たり何十万という成果報酬がもらえるから無料で成り立っているのだ。
他にも基本は無料で使えるんだけど、さらに高度なシステムを使うには課金が必要でそこでお金をもらうというやり方もよくある。YouTube PremiumやSpotifyなんかもそうだ。
このような『無料』でユーザーを獲得して後から利益を回収する手法を『フリーミアム』という。学んでみると興味深い。オススメはこの2冊。
普通に買うと2冊で2000円くらいするのだが、2冊ともKindle Unlimitedの対象になっていて読める。今なら通常月額980円が2ヶ月199円、つまり1ヶ月100円で読めてしまうのでこっちの方がお得だ。1ヶ月の無料体験もあるので、タダで読むこともできる。言うまでもなくこれもフリーミアムの一種だ。無料で有料機能を体験してもらって、気に入ったら使ってもらう。まずは無料でより多くの人に良さを体験してもらうのだ。
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さて、この記事のタイトルには「フリーランチは一瞬だけ存在する」と書いた。例えばPayPayだったりメルペイのキャンペーンは、永遠に続くわけではない。無料キャンペーンである程度ユーザーを獲得できたら終了する。フリーランチはそのユーザーを増やしている期間にしか存在しない。僕は日常に潜む「歪み」を使って利益を得ようという発信をしているが、その歪みの1つがこのフリーランチであり、時間が経てば歪みは消える。その消えるまでのわずかな時間に素早く行動し、利益を得ることが、最も賢い選択だと僕は思っている。
何かしらサービス提供者側にメリットがあってこそ僕らはフリーランチを享受できるわけで、厳密に言えばさっきの無料の昼食代金が酒代に含まれてるように完全なフリーランチではない。でも、タダメシはタダメシだ。使えるものはなくならないうちに使っていこう。
以上、フリーランチについて書いてみました。気になる方は上記の本など手にとってみてください。