彼女いない歴=年齢の人に彼女ができる確率はものすごく低い

カツオ君は海山商事で働く新卒2年目のサラリーマン。

 一浪して第1志望の大学に入り、そのまま普通に進級し、見事第1志望の企業に採用されました。優しい上司や励まし合える同期に囲まれ、幸せな社会人生活を送っていたカツオくん。しかしそんな彼にも悩みがありました。

 カツオ君は生まれてこの方、彼女がいたことがありませんでした。

 つまり彼女いない歴=年齢。

中学時代一度だけ好きな女の子に告白しましたがフラれてしまい、それがトラウマで好きな子が出来てもアプローチできず、ついぞ彼女ができることなく社会人になりました。

そんな悩みを抱えていたある日、久しぶりにサークルのOB会がありカツオ君も参加しました。カツオ君が所属していたのは国際系のサークルで、一緒にボランティアに行ったかつての仲間と久々にお酒を飲み、思い出話に花を咲かせました。

話疲れてお手洗いに向かった時、ふと声をかけてきた女の子がいました。

「磯野君じゃない!久しぶり!」

グレーのワンピースを着たスラットした彼女。髪型はストレートボブ。大学の頃は明るいハイトーンに染めていた髪はすっかり落ち着いたブラウンに変わり、いかにもOL風な雰囲気を出ていました。カツオ君が密かに憧れていた、同期の早川さんでした。

 「おお、早川!久しぶり!」

久々の再会に声が上ずってしまったカツオ君。だいぶお酒が回っているようで、昔なら緊張で話すらままなりませんでしたが快活に話し始めました。

「いや〜早川もすっかりOLになったな〜 昔はいかにも女子大生って感じだったのに〜」

「もう2年目だからね。磯野君もちゃんと髪セットしてるし笑 昔は寝癖つけたまま授業受けてたのに笑」

彼女がいないカツオ君でしたが寝癖を直すくらいのマナーは身につけていました。なんやかんやで話は盛り上がり一次会終了。早川さんは次の日朝早くに予定があり帰宅するということで一緒にいたカツオ君が駅まで送って行きました。

「今日はありがとう!久々に話せて楽しかったよ!」

「私もよ磯野君。今度は二次会も行くから!」

「絶対な!てかさ、もしよかったら今度二人で飲みに行かない?」

そう口走って顔が真っ赤になったカツオ君。お酒に酔ってたとはいえ奥手な自分がまさかこんなことを言うとはと自分でもびっくり。

「いいよ!もちろん!あとでLINEするね!じゃ!」

そう言うと早川さんは走ってホームへ降りて行きました。

カツオ君も走り出しました。

ーうおおおおおお!!!あの早川と!!!サシ飲み!!!

異性と二人で会うなんて何年振りだろう!しかも憧れの早川と!

ウキウキで二次会に向かったカツオ君。誰にもバレないように澄ました顔でカラオケへ。こっそり早川さんとLINEをします。

「今日はありがとう!来週の土曜日とかどう???」

カツオ君も彼女ができたことは無いものの、ネットや友人から数多のアドバイスをもらい、約束を取り付けるの早い方がいいと言うことを知っていたためすぐに予定を聞きました。

「うん大丈夫!昼間予定あって夕方からになるけどいい?」

「おけ!じゃあ17時にハチ公ね!」

たんたんと日程と場所まで決まり有頂天のカツオ君。もう来週が待ち遠しくて仕方ありません。その日はドキドキしてあまり寝付けませんでした。

そしてついに約束の日がやって来ました。果たしてカツオ君は早川さんと楽しいひと時を過ごせるのでしょうか???

 

土曜日17時の渋谷ハチ公前。遠くからはハチ公が確認できないくらい混雑しています。

約束の10分前に着いたカツオ君。早川さんは会社の同期と中目黒のおしゃれなカフェでアフタヌーンティーを楽しんでいたとのこと。待ち合わせ時間の5分後に渋谷駅に着きました。東急東横線を降りて地上に上がりハチ公に向かいましたがなかなかカツオ君が見つかりません。

「え?まだ分かんない?なんとかハチ公の真横まで来たからこっちまで来て!」

そして間も無く人混みを掻き分けながら早川さんが登場。白のブラウスが夏の日差しに映えます。

「ごめん遅くなっちゃって...」と申し訳なさそうな顔。

「全然いいよ!てか今日何食べたい???」

「あ、まだ決めてないのね。磯野君が好きなのでいいよ!」

「えー!今日せっかく来てくれたし早川の好きなものでいいよ!」

「うーん。でもなんだろ。何も考えてなかったから...じゃあイタリアンかな...」

「おっけー!じゃあ歩きながら探そ!」

真夏のスクランブル交差点を歩く二人。夕方とはいえ気温は30度を超えています。アスファルトから放たれる放射熱が二人を襲います。

「こことかどうかな」

ある雑居ビルの前で足を止めたカツオ君。看板のチーズフォンデュか気になったようです。

(イタリアンとは違うかもしれないけど、女の子ならチーズフォンデュ好きに違いない...)

そう確信しエレベーターに乗って7階へ。入り口に行くと行列が。聞いてみると30分から1時間待ちとのこと。

「まじかー。どうしよ。待つ?」

「どっちでもいいよ」

なんだか早川さんの声に元気がありません。暑いし疲れたのかな?休憩も兼ねて並ぶことにしました。しかしいくら並んでも列が進みません。それに会話も続きません。先週はお酒の力でなんとかなっていたものの素面では勢いもなく何も話せないカツオ君。

「列進まないし他行こっか!」

「え、でも20分も並んだんだよ?」

「でもこのままだと1時間くらいかかりそうだよ。もう涼めたしとりあえず外行こ!」

再び外を歩き回る二人。二、三件満席で断られたのち、ようやく空いてる店を見つけ中に入りました。

「やっと入れた!よかったよかった!」

「そうだね... ちょっと疲れちゃった...」

入った店は先ほどと同じような雑居ビルにあるイタリアンのお店。なんでも水槽がついてるそうで、これなら女子は大喜びに違いありません。ウキウキしながら席に着きました。

 

 

「オシボリデース!!! オトオシデース!!!  ゴユックリドウゾ!!!」

カタコトの日本語の外国人店員が入って来ました。出て来たお通しはカッピカピのパンとオリーブオイル。とりあえずお酒を頼みます。

「うーん...こういう時どうすればいいのかな???」

「え...白ワインをグラスで。とかでいいんじゃない?」

「そっか!じゃあ...(一番安いやつを指差して)これ二つで!」

ようやくディナーが始まりました。がどういうわけか話が盛り上がりません。暑さにやられたのか早川さんに元気がありません。

個室についている期待していた水槽は想像よりも小さく、コケのような緑が壁にこびりついています。肝心の魚は1匹も見当たりません。おまけに水槽の水が臭っています。あの看板のきれいな水槽と魚はなんだったんでしょう。

「大丈夫?」

「なんかこんなの久々で...笑」

何が久々かよく分かりませんでしたがなんとか会話を盛り上げようと一生懸命話しました。サークルの昔話、就活の話、今の仕事の話。自分をアピールしようとついつい話しすぎた気もしましたがお酒もまわり上機嫌のカツオ君。反対に早川さんには未だ元気がありません。

「オマタセシマシター!!! マルゲェリータデース!!!」

(ドコッ!!!)

置いた衝撃で乗っていたチーズがずり落ちピザが生地だけに。気づきもせずに帰って行く店員。(今のはないでしょ)と思うカツオ君でしたが早川さんがクスッと笑っているのを観測。良かった。笑ってる。

しかしそのまま盛り上がることもなくタイムアップ。お店を出ます。

ですがまだ物足りないカツオ君。この機会をどうしても逃したくありません。

「この近くにオススメのラーメン屋あるんだけど」

「ラーメン???でも私お腹いっぱいだし...」

そうはいうもののさっきのお店ではほとんど何も手をつけていなかった早川さん。ほとんどカツオ君が食べていました。女の子だからよく食べると思われたくないのかな?と心配になったカツオ君。

「いや遠慮しなくていいよ!!!行こ!!!」

と歩き出しました。しかし......

 

「ごめん。そろそろ終電なの。今日はありがとうね。」

そういって早川さんは駅へ向かいました。まだ22時だけど終電?ほんとかなと思いましたが大人しく駅へ送るカツオ君。

「もういいよここで。一人で帰れるから。ラーメン食べて来てね。」

とスクランブル交差点で別れました。遠ざかる早川さんの背中に小さく手を振るカツオ君。今日はあんまり会話弾まなかったけど、ぼちぼちうまくいったんじゃないか。よし、このままデートして3ヶ月後に告白しよう!もしかしたらそれまでに向こうが好きになってくれるかもしれないし。

「今日はありがとう!また行こうね!再来週とかどう?」

とその日の夜にLINE。しかし既読がついたのは三日後でした。

 

「ごめん。まだスケジュール分からなくて。土日空いてないんだよね。次いつになるか分からない。」

それでもなんとか繋がり続けるために世間話のLINEを送り続けましたが、返信が来るのが3日、5日、一週間とどんどん遅くなり、ついに何も来なくなりました。

 

数週間後のとある土曜の昼下がり。

「暇すぎてやばい笑 誰か連れ出して笑」

とベッドから撮ったと思われる天井の写真を添えた早川さんのストーリーがインスタに流れます。この前今日は予定あるから無理って言ってたのに...俺がフォローしてるの知ってるのかな...

 

悲しい気持ちになったカツオ君。そっとインスタを閉じ、自分の恋が敗れ去ったのを理解しました。土曜の真昼間、クーラーの下で一人ビールを飲みながら、カツオ君は体の芯まで冷え切ってしまいました。

 

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みなさんこんにちは中島です。

先日平成最後の夏に彼女を作るための心得 をまとめた記事を書きました。

これだけは断言できます。この↑の通りに行動すれば間違いなく彼女はできます。

しかし一方で、この世には彼女いない歴=年齢の人に彼女ができる確率はものすごく低いという恐ろしい法則があります。

そしてこの法則の通り、社会人2年目まで彼女がいなかったカツオ君は早川さんとのデートを成功させることができず敗れ去りました。

ではなぜ彼女いない歴=年齢の人に彼女ができる確率はものすごく低いのか。

これは経験値の差です。

カツオ君は異性と二人でデートするという経験がないまま大人になりましたが、早川さんはそうではありません。

女性との関わりが少ない人は気がつく機会が少ないかもしれませんが、高校生から大学生にかけて女の子はめちゃめちゃモテます。

実際に僕が所属する理系の学部は女子の母数がそもそも少なく、そのため女子は男子にちやほやされ、他学部で見かけたらそこまででもないだろうって子までにされ、ちやほやされています。オタサーの姫ってやつです。Twitterではそんな姫のどうでもいい呟きに群がる囲いを観測できます。

それはさておき、普通の女の子だってめちゃめちゃモテます。とにかく大学生になるとコミュニティが広がります。大学にサークルにバイト、インターンに高校以前の友人、Tinderなどのマッチングアプリ。

出会いの場が急に広がり、四方八方から声をかけられます。

そして気に入った男性とのデートを重ね、彼女たちは経験値を積んでいくわけです。

 

高校時代は彼氏とサイゼリアに行って満足だったかもしれません。ですが大学に行きさらに幅広い男性と出会うことにより、喜びを感じるハードルがどんどん高くなって来るわけです。

サークルの先輩にちょっとおしゃれなカフェに連れていかれるかもしれません。バイト先の社員と洒落たにイタリアンにいくかもしれません。Tinderで出会った商社マンに西麻布の薄暗いバーに飲みにいくかもしれません。

これはかなり極端な例ですが、実際にそういう女性はいます。いわゆる”港区女子”というやつで、若さを武器に美味しい思いをし、自分の価値は高い、もう食べログ星4.0以下の店には行けないなどとプライドがどんどん高くなっていく女性たちのことです。

そこまでいかなくとも、多くの女性が大学生活を終える頃にはいろんな男性とデートをし、いろんな世界を経験します。あそこにはピザの美味しいお店があるとか、あそこにはいい雰囲気のバーがあるかとか。

早川さんに憧れてたのもカツオ君だけなはずがありません。他の先輩、後輩、はたまたバイト先の人などなど。彼らにデートに誘われいろんな経験を積んで来たはずなのです。

そして女性の扱いに慣れた手練れと付き合えば、してもらって当然のマナーも出て来るわけです。

例えば土曜の夕方の混んでるハチ公前なんかで待ち合わせず、東横線の地下通路を使って別の涼しいところで待ち合わせるだとか。

そして店を予約しておくなんて当たり前のことなんです。していないのはありえない。しかしカツオ君はそういった経験がないから気づかない。

こんな暑い中店を転々とするのもありえません。それに渋谷の雑居ビルにある水槽付きの店なんてほとんどが写真詐欺です。一回どこかで失敗していればもう同じミスはしません。 

ですがカツオ君にはその経験がない。チーズフォンデュなら喜ぶ、とか綺麗な魚が見られれば満足してくれるだろうとか。

 

暑い中を歩きにくいヒールで歩き回らせても平気。白いブラウスを着ていて汚れるかもしれないのに、それにもう満腹かもしれないのに、それ以前に帰りたい仕草が随所に現れているのに、ラーメンに誘ってしまう。できて当然の配慮ができないわけです。

 

しかし一方で異性との経験を積んできた男ならそれができる。

清潔に身だしなみを整え、店は事前に予約し、人混みは避け、安くていい店を見つけ、相手の話に耳を傾けながら話を盛り上げられる。彼らにとってはそれが当たり前のこと。相手の女の子にとっても当たり前のこと。

しかし経験がない男はそれが当たり前だということにすら気がつかずに、むしろそんなこと男がするなんてダサい!なんて見当違いも甚だしい持論を展開し敗れ去ってしまうのです。

これは本当に恐ろしい。だって経験がなければいつまでたってもそれに気がつかないのだから。周りがデートに誘い、誘われ、酸いも甘いも体験しながら経験を積み重ねている間、あなたが得たものはゼロ。失敗もなければ成功もない。永遠のゼロ。

 そのゼロの状態で「よっしゃおいらも彼女つくっぞ!」となったらどうなるか。

あなたが何もしない間に積み重ねてきた彼女たちの”当たり前の壁”の前に門前払いを食うだけである。

こうなったらもうどうしようもない。自分同様に経験がなく”当たり前の壁”が低い人を探すしかない。そして経験を積むしかなくなる。

 

しかし歳を取れば取るほどそういう人は少なくなっていく。そして誰も振り向いてくれる人がいないまま、非モテとして日の目を見ないまま余生を過ごすのです。

 確かに今書いたのはかなり極端な例です。この世のどこかには必ずあなたと気があう人間は一人はいます。だけどそんな人と出会える可能性はゼロに近い。それになんのアクションも起こさず奇跡の出会いを信じて待つなんて都合のいい話はありません。

とにかく彼女が欲しいのであれば、今すぐ行動を起こし、数を打ち、批判を恐れず、自分に自信を持って挑むしかないわけです。

あなたが躊躇しているうちに意中の子、周りの女の子はいろんな経験を積み、いろんな世界を知り、幸せを感じるハードルが高くなっていきます。そのハードルを経験値のない人間が超えるのは難しい。

 

素っ裸で関ヶ原の戦いに参戦するようなものです。

戦に勝利する可能性はほぼゼロです。 

とにかく当たって砕け続けましょう。最初っからうまくいく人間なんていません。失敗から学べばいいだけです。

サイゼリアに連れてったら帰られた。まだ22時なのに終電があると言われて帰られた。追撃ラインしまくってたら既読無視された。いいじゃないか。

サイゼリアに連れてってダメだったなら次はもっといいお店を選べばいい。それかトークをもっと磨けばいい。サイゼリアが悪いわけじゃない。君に魅力があればサイゼリアも松屋だって関係ない。でもその魅力は経験値を積まなければ手に入らない。

 

22時に終電なんてことがあるわけがない。

「いや22時で終電って、君、長野に住んでるの???」

なんて言って諦めろ。でもその余裕は失敗を経験していなければ手に入らない。

 

返信が3日に一回になったら

「返信遅すぎてブラジルにいるのかと思ったわ」

なんて返して次に行け。でもその余裕は、経験値を積まなきゃ手に入らないんだ。

 

とにかく自分から行動することを意識し、自信を持ってアクションを起こしましょう。

そうすれば必ず明るい未来がやってくるはずです。

 

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<参考記事>

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