先日こちらの記事で紹介したテイクアウトアプリPicks。
今回はひょんなことからPicksを運営する株式会社DIRIGIO CEOの本多祐樹さんにお話を伺ってきました。
慶應義塾大学在学中に起業した本多さん。彼の行動力と熱い思いを取材してきました。
1. なぜPicksを作ったのか
はじめまして。意識高い系中島と申します。
はじめまして。Picksを紹介してくださりありがとうございます。
今おいくつなんですか?
1995年生まれなの23歳です。
23歳!お若い!めちゃめちゃ貫禄がある!
よく言われます。
そもそもPicksを作ろうと思ったきっかけはなんだったんですか?
学生時代、飲食店でバイトしていて、テイクアウトって便利だなあって思ってたんですよ。
ウェイターもいらないし、座席もいらないし、お客さんがきたら渡すだけでいい。もっと広まればいいのになあって思ってたんですが、そういうサービスがあまりなかったんですよね。
なるほど。確かにテイクアウトのイメージがあるお店って少ないですよね。
中島さん、テイクアウトしてるお店って、全国にどれくらいあると思いますか?
うーん、5%もないんじゃないかなあ...
飲食店って全国に約54万店舗あるんですけど、実はテイクアウトをやってるお店って、その半数の27万店舗もあるんです。
ええええ!そんなにあるのお!!知らなかった...
そこなんです。
え?
みんなテイクアウトをやってることを知らないんです。
つ、つまり?
テイクアウトをやってるお店自体は数が多いんですが、それを広めるための販促チャンネルが日本にはまだないんです。ホームページの端にちょっと書いてあったり、電話とかFAXで受け付けていたり、バラバラなんですね。
なるほど。
なのでその販促チャンネルを僕らが作れば、飲食店はもっと盛り上がるって思ったんです。
それは鋭い...
ランチのときって、大行列ができますよね?お客さん側は待たされてイライラするし、お店側もバタバタして大変。Picksを使えば、お店側は事前にオーダーを取れて、お客さんも取りに来るだけ。見事に解決するんです。
それはすげえ。確かに記事に書いたように、いつもなら並んでいたお店も一瞬で受け取れました。
2. 起業するなら若いうちに
慶應義塾大学在学中に起業された本多さんですが、どんな経緯があったんですか?
大学2年の2月にサービスを始めました。Picksの前にDoggy Bag(ドギーバッグ)という同じくモバイルオーダーのサービスをローンチしていて、それをリニューアルして今のPicksが生まれました。その年の5月のことでした。
大学2年で起業...不安はなかったんですか?
ないですね。ぶっちゃけ起業って全然リスクないんですよ。
と言いますと...?
僕学生時代は実家暮らしだったので、生活費が全然かからなかったんですよね。だからお金とか時間の負担があまりなくて。
はいはい。
でも社会人になったら大変じゃないですか。一人暮らししたら家賃も食費もかかるし、仕事も忙しいし。多分起業する暇なんて全然ないんですよ。お金的にも時間的にも。
なるほど。
そう考えたら学生の今起業した方がリスクないなって思ったんです。万が一失敗しても、どうにかなるって。そう思ったんですね。
確かにそうかもしれません。
ただはじめは辛かったです。初期の創業メンバーがみんなすぐにやめてしまって、しばらく一人でずっと会社を経営してました。
たった一人で!怖くはなかったんですか?
そりゃ辛かったですけど、やるしかないんだと自分を奮い立たせました。
僕自身もともと周りに何言われても気にしないタイプで、最終的に自分が楽しめればいいなって思いながら生きてきたんです。
僕もそういう考えで生きてます。
実は留年したことがあって、そのとき漠然と挫折感を味わったんですよね。俺何してんだろうって笑
留年ですか笑 意外です。
そのとき、正規ルートから外れたなあって思ったんです。確かに辛かったけど、逆に吹っ切れました。もう他人の評価を気にするのはやめようって。あと成功って、必ずしも正規ルートに乗ることではないじゃないと思うんです。
その通りだと思います。僕も割と正規ルートから外れてますが、そんなのクソくらえです。
だったら起業して早めにチャレンジしてやろうって思ったんです。その方が学びがあるし、後の人生にもいい影響があるなって決意しました。
すごい行動力だ...
3. Picksのデザインについて
Picksのアプリを使ってみて、すごく操作しやすいなって思ったのですが、デザインは本多さん自身が考えているんですか?
そうです。基本的に僕が決めています。
何かで学んだんですか?
いえ。特に学校で学んだ訳ではありません。ひたすらいろんなアプリを見て、徹底的にユーザー目線に立ってデザインを考えました。
例えばボタン一つにしても、どんなデザインでどんな動きをしたらユーザーが気持ちよく使えるのかとか、徹底的に考えています。言葉にできない部分を大切にしています。
すごいこだわりですね。
体験を作ることが大事なんですよね。Webサイトを作るだけなら正直誰でもできる。サービスを気に入ってもらうには、ユーザーの体験が何より大切なんです。
その言葉、心にとめておきます。テイクアウトのアプリは他にも色々出てますが、競合との差別化で意識していることはありますか?
実は全然意識してません。なぜなら競合は必ずしも正解ではないからです。僕らのアプリは店舗とユーザーが使うものなので、競合を意識しても意味がないんですよね。
これは僕自身で考えた例えなんですけど、カレー屋さんが二店舗、A店、B店ありますと。
はいはい
A店は大人気で、B店は不人気でした。そこで不人気のB店は人気店のA店のスパイスを全部真似して今のカレーに足しました。
ふむふむ。
さて、B店のカレーはA店を超える人気商品になったでしょうか。もちろん答えは
ノー
ですよね。相手にあって自分達にないものを全部真似して取り入れたところで、相手を越せるかと言ったらそうではないんです。
僕らはあくまでテイクアウトに特化したアプリを作っている。そこで欲張っていろんな機能を入れたら、もうなんのアプリか分かんなくなっちゃうんです。
確かにそうですよね。僕もこれは雑記ブログなので、いろんなことを書いているのですが、自分が心から良いと思ったものだけを書く、という信念を持って書いています。そこがぶれて、なんでもかんでも取り上げていたら、よく分からないブログになってしまう。かなり近いものを感じます。
<後編に続く>