先日Amazon Primeでビューティフル・マインドという映画を観た。
なんとなくタイトルに惹かれて、概要も全く読まずに観たのだが、ストーリーが進んで行くうちに、主人公のジョン・ナッシュが誰であったのかを思い出した。
ゲーム理論
という言葉を聞いた人は多いだろう。
ゲーム理論とは、あらゆる戦略的状況において、自分の得点を高くし、失点を少なくするにはどうすればいいかの最適解を数学的に求める理論のことだ。
有名なゲーム理論の例に、囚人のジレンマがある。
僕は大学で一度、ゲーム理論の授業を取ったことがあった。そのときに出てきたある
「ナッシュ均衡」
という言葉を思い出した。
ージョン・ナッシュ
彼こそがそれまでの経済学を大きく変えるナッシュ均衡を考え出した稀代の数学者だったのだ。
ジョン・ナッシュは1928年にウェストバージニア州に生まれた。
17歳の時にカーネギー工科大学に奨学生として進学。
その後プリンストン大学で博士課程を過ごすことになったジョン・ナッシュ。
カーネギー工科大学時代の指導教官がプリンストン大学に送った推薦状には
He is a mathematical genius.
この男は数学の天才である。
と書かれていた。
ここまで書くと、ジョン・ナッシュは天才数学者として順風満帆の人生を送ってきたように思える。
しかし彼はある重大な問題を抱えていた。
彼には幻が見えていたのだ。
映画で描かれていた幻覚と実際の幻覚は異なるものもいくつかあるが、劇中ではジョン・ナッシュは政府から秘密裏に暗号解読のスパイとしての役職を言い渡され、誰にも言わず、送られて来る雑誌に隠されたロシアの暗号を解読し、夜な夜な大学から少し離れた怪しげな建物のポストに解読した答えを投函しにいく。
時折政府関係者がナッシュの前に現れ、世界の破滅を防ぐためには一刻も早く暗号を解読せねばならないと彼を急かす。
親友のチャールズに支えられながらも日に日に精神を病んでいくナッシュ。
そのうち自分はスパイを引き受けたため、暗殺されるのではないかという恐怖にかられ、極度に人を恐れるようになる。
天才ゆえの孤独を抱えていたのがナッシュであった。
幼い頃から一人でいることを好み、思考が鈍るからと大学の授業にも一度も出席せず、一人黙々と机に向かっていた。
彼にはどんな世界が見えていたのだろうか。
ナッシュは、こんな言葉を遺した。
数学は正確さにかけては芸術だ。
病と戦い続けた孤高の天才ジョン・ナッシュ。
彼の生み出したゲーム理論はその後の世界を大きく変えた。
そんな彼の生涯を描いたビューティフル・マインド。
Amazon Primeで無料で見ることができる。
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Amazon Primeは現代の基本的人権の一つなのでまだ登録していない人がいたらぜひしてほしい。
これから梅雨がやって来る。
たまには雨の日くらい部屋に一日こもり、天才の人生を追体験してみてはいかがだろうか。
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