<北欧一人旅前回の記事>
雨の街ベルゲンについた僕を待つ一人の少女がいた。果たして彼女は誰なのか...
みなさん想像がついただろうか?
そう。以前僕はTinderを活用した外国語勉強法について記事を書いた。
ここで僕は「旅行に行く際は位置をその国に設定して現地の人に色々聞いている。」と書いた。そう、今回もTinderをフル活用し、事前に現地の人とマッチして役立つ情報を聞いておいたのだ。
遡ること3週間前。まだ泊まるところが見つからなかった僕はTinderの現在地をベルゲンに設定し、ひたすら右スワイプしまくった。
そしてある少女とマッチし、ダメもとで「泊まってもいいですか!」と聞いたところOKをもらったのである。
以下はインスタを交換した後のDMだ。
なんと部屋とマットレスが余っていて、それを貸してくれるのだそうだ。ありがたい!!!安いホテル探しておくねと言いながらもう泊まる気満々だ。ノルウェーの物価は高く、ベルゲンはノルウェー第二の都市といっても人口は27万人しかいない。ホテルも数に限りがあり、しかも高く最低でも1万円はする。もし泊まらせてくれるのならこんなに助かることはない。
ちなみに翌日朝7時半に空港にいなくてはいけないため、その行き方も教えてもらった。
駅の近くに住んでいるらしい。パーフェクトだ。
ついでにベルゲンの様子も写真で送ってもらった。このとき僕はまだ日本。未知の土地に期待が膨らむ。
こんな感じで2週間ほどやり取りを続けていたある日、実は彼女の誕生日が僕が泊まる日だということに気が付いた。
さすがに誕生日は邪魔できないよと伝えたが、何もすることがないらしくOKとのこと。誕生日にどこの馬の骨かわからない日本人を泊めてくれるなんてありがたい...
しかしそれから5日後の出発直前、こんな連絡が入った。
なんと彼女の友達がサプライズで誕生日旅行を用意していたのだ!!!なんて優しい友達だ...日程を変えてもらうよう頼んだが、どうしてもずらせないらしい。これは仕方がない。せっかくの誕生日だ。
「全然気にしないで!!!旅行楽しんでね!!!」
と送り出した。
しかし僕にはどうしてもこのまま会わないで終われない理由があった。実をいうと、彼女のために誕生日プレゼントを用意していたのだ。
彼女がサプライズ誕生日旅行に行くことを知らされる二日前。僕は東急ハンズ新宿店にいた。
そう。彼女の誕生日プレゼントを買いに。彼女の名前はVeronica
なぜ新宿の東急ハンズに来たかって???
その理由がこれだ!!!
なんとお箸の名入れが無料で出来るのだ!!!
ちなみにこのサービスは新宿店でしかやっていない!!!
たまたまTwitterでこのことを知り、外国人に名前入りの箸をプレゼントしたら最高すぎるな!!!と思い立ち訪れたのだった。
箸は1000円から3000円台まで、色々なものがあり値段に関係なく無料で名入れをしてくれる。
Veronicaが猫を飼っていると聞いていたので、招き猫の柄を選んだ。お値段1000円。
レジで名入れしたいと伝え、デザインを決めて店員さんに渡す。
30分程度で完成し、受け取ったお箸がこちら!!!
いいでしょ!!!
(念のためVeronicaのフルネームは隠しておきます)
これいいな。僕も欲しい。名前入りの箸が作れるなんてすごいな。
外国人はもちろん。これから留学に行く友達にプレゼントしたらめちゃめちゃ喜ばれそうでしょ。ぜひみなさんも東急ハンズ新宿店に名前入りのお箸を作りにいってみてください。
さて、すでに誕生日プレゼントを買ってしまっていた僕はどうしても渡したいので、Veronicaに一瞬でもいいから会えないかお願いしてみた。
19時あたりでなんとか会える時間があるらしい。翌朝に旅行に出かけるので家で準備があるそうだ。本当にありがたい。僕らは19時にベルゲン駅で待ち合わせることにした。
それから1週間後。僕は日本を旅立ち、上海で乗り換え、コペンハーゲン、オスロと周り、死ぬまでに見たかったフィヨルドを見終え、ベルゲンに向かっている。
車窓から流れる景色を眺めながら、僕は日本から持って来たプレゼントをそっと取り出した。
実はフィヨルドクルーズ中も連絡を取り合っていた。
最後の電車で待ち合わせ場所を決めていると、彼女のお母さんが僕が着くのと同じ時間にベルゲン駅に着くことが分かった。
Veronicaはもしお母さんに見られたらどうしようと心配していた。
そりゃそうだ。娘が駅で見たこともないアジア人と会っていたら誰だって心配する。
もし見つかったら留学生だって伝えてくれと頼んでおいた。
そしてついにベルゲンに到着。手には東急ハンズのお箸が入った小袋。
待ち合わせのDeli Lucaに向かうとブロンドの少女がいた。
”Hi, I am Hiroshi.”
"Hi...I am Veronica..."
言葉に詰まるのも無理もない。Tinderでマッチした日本人がはるばるノルウェーまで来て誕生日プレゼントを渡しに来たのである。なんて言ったらいいか分からないだろう。
"...Happy birth day!!!"
そういってお箸の入ったプレゼントを渡した。
”Thank you! But I have to go. There is my mom. Have a nice day!”
そういうと彼女のカバンから小包を取り出し、僕に渡してくれた。
そのまま手を振り、さっき僕がいたホームの方に走り出した。
その先にはVeronicaの母親。
声は聞こえないが、きっと彼女に”Happy birth day!”と伝えているに違いない。
”Happy birth day”
一人つぶやき、僕はベルゲン駅を去った。
1時間後、Veronicaからメッセージが届いていた。
とても気に入ってくれたようだ。よかったよかった。
僕もVeronicaからもらったプレゼントを開けてみた。
袋の中には絵葉書とお菓子が。
絵葉書を開くとメッセージが書かれていた。
なんて素敵なメッセージなんだろう。英語とノルウェー語で書いてあった。
ありがとうVeronica
君のおかげで旅行がもっと楽しくなった。
丁寧にお礼のメッセージを送り、ベルゲンの街に出た。
世界遺産のブリッゲン。
ベルゲンは雨の街だ。例に漏れず、冷たい雨がシトシトと降っている。
今回もまた、Tinderのおかげで素敵な体験をすることができた。
日本に帰った今も、Veronicaとはやり取りを続けている。いつか日本に来たら案内するよと約束をした。その時はあのお箸を持ってきてもらって、秋刀魚でもつっつきに行く予定だ。
世界は広い。しかし確実に、今までよりも世界を、僕は身近に感じている。
Tinderはただのヤリモクのアプリではない。使いようによっては語学学習もできるし、世界中に友達ができる。旅行先で直接会うことだって可能だ。
みなさんも効果的にTinderを使い、旅行に活かしてみて欲しい。
あなたの旅が、もっと刺激的なものになるはずだ。
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<参考記事>