<北欧一人旅前回の記事>
クリスチャンボー城の地下の博物館をみたり敷地を散歩した次は近くのトーヴァルセン彫刻美術館に行った。
入館料60DKK=1020円ほど。こちらもコペンハーゲンカードで無料で入れる。こんなにたくさんの彫刻を掘っただなんて信じられない。一つ一つ精巧に掘られた肖像は美しく力強かった。
ここで一旦ホテルに荷物を預けることにした。思えば日本を出てから中継地点の上海を観光しコペンハーゲンを歩く今に到るまでの30時間。この長旅の荷物を全て抱えて歩いてきた。足はパンパンで痛い。この荷物を背負って歩くのは無理だ。
地図を開くと歩いて行ける距離にあったので向かう。今回泊まるのはこちらのコペンハーゲンダウンタウンホステル。僕が予約した時は一泊4000円ほどだった。
実はこれがドミトリー初体験である。北欧はとにかく物価が高く、普通のホテルでも一泊1万はする。そんなお金はないので今回ドミトリーに泊まってみることにした。実はこの旅行で普通の宿に泊まるのはこれが最初で最後だ。僕がどんな方法で北欧を渡り歩いたかは次回以降の記事に譲るとしよう。
ホテルにつきチェックインをする。真っ昼間というのにEDMがフロントに鳴り響きクラブのような雰囲気だった。受付のにいちゃんはとても丁寧だった。
鍵をもらい部屋を見にいく。途中トイレとシャワーがあった。思ったより綺麗だ。
部屋は十人部屋で、僕は二段ベットの上だった。まだ部屋には誰もおらず、ベッドの上には荷物が広がっていた。ロッカーにリュックを預けたかったのだが見当たらず、放置しておくのは流石に怖いので諦めた。
地下にコインロッカーがあったのだが、あいにく現金を持っていないため使うことができなかった。またこの大荷物を背負ってコペンハーゲンの街を歩かなくてはならない。つらいなあ。
散策自体は順調で、足は痛いが次の目的地に向かうことにした。
今度は電車に乗るので駅に向かって歩く。途中レストランでご飯でも食べようかと思ったがどれも高い。ランチですら3000円はする。
仕方なくセブンに向かい、このでかいサンドイッチを買った。一つ39DKK=660円。高いが量はある。ついでにジュースも買った。
座って食べる時間が惜しいのでかじりながら歩く。行儀は悪いが許してくれ。俺は急いでるんだ。なんてったってコペンハーゲンの滞在時間はたったの28時間。くつろいでる時間はない。
途中両替所を見つけたので2000円分替えた。ただこれはミスだった。手数料がかなりかかるがいいかと聞かれ、疲れてまともに考えず”Yes”と返事をしてしまったのだ。結果、3割手数料を持ってかれ、1400円分しか手に入らなかった。
ミスったーと思いながら電車に乗車。
ほとんど人がおらず快適だった。ちなみにコペンハーゲンの電車は自転車を載せることができる。自転車といえばオランダが有名だが、このデンマークのコペンハーゲンも自転車が大人気だ。デンマークの国土はオランダ同様平坦なため、とっても走りやすいのだ。
さて、30分ほど電車に乗り、着いた駅がこちらのフムレベック駅。
ここまでもコペンハーゲンカードで無料で行ける。
そして看板に書いてある「ルイジアナ現代美術館」に向かう。
このルイジアナ現代美術館は”世界で一番美しい美術館”と呼ばれている。
実は当初この一人旅ではコペンハーゲンを訪れる予定はなかったのだが、この美術館があることを知ったのもあり、行き先に加わった。
こんな感じで看板がある。ちなみに駅から徒歩20分。かなり遠い。また足が悲鳴をあげる。
路上でフリマをしている女の子たち。微笑ましい。なんて幸せな光景なんだ。
ようやく到着。ルイジアナ現代美術館だ。
入り口には大きな彫刻が置かれている。
緑が生える美術館。
入館料は大人115DKK=約2000円、学生100DKK=約1700円。
これもコペンハーゲンカードで無料で入れる。ありがとうコペンハーゲンカード。
建築が好きな僕はこの美術館の存在は知っていて、ずっと前から行って見たいと思っていた。
廊下はこのような感じでなんといえばいいのだろうか。月並みな表現だが自然と建築とが一つに調和している。
展示室も美しい。空間を大きく使っている。
ちなみに写真撮影はOK。この先他の国の美術館にも向かうのだが、皆撮影OKだった。
お土産も売っている。高いけどね。
僕が行った時の特別展は月に関する展覧会だった。
かの有名な世界初のSF映画、1902年に製作されたジョルジュ・メリエスの月世界旅行が流れていた。
そして草間彌生の作品が永久展示されていた。鏡に囲まれた部屋に無数の光が明滅する不思議な作品空間だった。今日一の行列ができており日本人としてなんだか嬉しかった。
座れる場所で少し休憩。目の前が海になっており、バルト海が広がっている。なんて素敵な時間なんだろう。
今度は外を散策。この美術館は外に広場がたくさんある。
陽も傾き始めひんやりとしてきた空気を感じながら、一人北欧の海を見る。
僕は今、日本を離れ、一人デンマークにある世界一美しい美術館に来ている。そんなちょっと信じられないような事実に胸が熱くなる。
閉館時間が迫って来たので外に出た。
この美術館が世界一美しいと言われる理由がわかった気がした。作品が美術館と調和し、美術館は自然と調和している。
森が、海が、風が、このルイジアナ現代美術館と一つになっていた。
素晴らしい時間を過ごすことができ、満たされた気持ちで再び20分の道を歩き、電車に乗ってコペンハーゲン市内に戻る。
駅に着く頃には少し薄暗くなってきていた。
川からの眺めが美しい。
広場は路上で演奏するアーティストの音楽で満たされ、夢を見ているような気分になった。
綺麗すぎるよ。
ここでシャワーを浴びにホテルに戻った。
めっちゃ赤い。
まだ19時だというのにEDMがガンガンかかり、みんな酒を飲んで盛り上がっていた。人でごった返すフロントをくぐり抜け部屋に入る。
ベッドの上からの眺めはこんな感じ。
荷物を整理していると隣のエクアドルから来たという男に話しかけられた。彼も一人で旅をしているのだという。少しスペイン語が話せるのでちょっと話すと、日本人がスペイン語を話すなんて意外だと驚かれた。
しばらく話した後、彼がママと電話で話だし盛り上がっていたのでそっとベットをおり、夜の予定を立てに行った。
下は大盛り上がり。なんか歌ってるやついるしみんな酒飲んでるし完全にクラブだった。
夜はもちろん美術館はやっていない。コペンハーゲンカードを使えるだけ使い倒してやると誓った僕は夜でもその効力を発揮できるカジノに向かうことにした。
バスに乗って移動する。めちゃめちゃ寒い。10度しかない。疲れも溜まっているし風邪を引きそうだ。
そしてカジノに到着。とにかく寒い。
来たはいいが、この北欧一人旅、極めて貧乏旅行なためかける金がない。というかまず現金がさっき両替した分しかないためそもそもかける金がない。
ただコペンハーゲンカードで入場料がタダになるから来ただけだ。入場料は95DKK=約1600円。
中は撮影禁止なので写真はないが、ガラガラだった。なんのために風邪引くリスクを犯して来たのだろうか。ただパスポートをみせ会員証を作っただけだった。
20分で出てバスに乗り帰る。
最寄りまで行き、そっからまた歩く。夜のチボリ公園も綺麗だ。
しかしコペンハーゲン。首都だというのに人が少ない。
まだ22時なのにこの暗さ。ちょっと怖い。
再びセブンでサンドイッチをかい、ドミトリーに戻る。
街は人が少ないのにドミトリーは大盛り上がり。外にまで人が溢れている。
せっかくなのでビールを頼み、セブンのサンドイッチと一緒に飲んだ。
ひもじい食事だがなかなか楽しい。疲れていて周りの外国人と絡むことはしなかったが、雰囲気だけでも十分楽しめた。
ここでスマホを開くと衝撃のメッセージが。
以前この記事でTinderで位置を旅行先に設定し、渡航前に情報収集していることを紹介したのを覚えているだろうか。
なんとそれでマッチしてた現地の子が僕をバス停で見かけたと言うのだ。
おい!!!話しかけてくれよ!!!
こんなことがあるのか。めちゃめちゃびっくりした。実際に話すことはできなかったが、Tinderすげえ。みなさんぜひ使って見てほしい。
さて、ここで約36時間ぶりのシャワーを浴びる。上海で汗だくになり、コペンハーゲンでもかなり歩きとても気持ちが悪い。ボディシートでしのいできたがかなり辛い。
持ってきた洗剤で体を洗う。ここでもセームが大活躍。水泳やっててよかった。絞るだけで乾いてなんども使えるんだもん。本当にすごい。
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ついでに持ってきた洗剤で服と下着を洗う。途中何度か電気が消えた。人がいないと勝手に消えるアレだ。マジで真っ暗で死ぬかと思った。しかも廊下に出ないと明かりが復活せず、素っ裸で一か八かで廊下に出て明かりをつけた。しかも二回も。誰もいなくてよかった。
なんとか洗い物を終え歯磨きをしコンタクトを保存液につけたところで緊急事態発生。
コンタクトの容器を落とし、排水溝にハマった。
どう頑張っても取れない。下におりてスタッフに言うと
「これでファイトやで」とハサミを渡された。
さすが激安ドミトリー。自分のことは自分でしなくてはならない。
さらに悪いことに下におりている間に誰かガムを捨てたらしく、ガムが容器に付いていて最悪な気分になった。
もうどうにでもなれと素手でガムをとり、ハサミで容器を掴んで引っ張り上げる。試行錯誤の末、5分後に無事救出。手をよく洗い部屋に戻った。
22時をすぎると消灯らしく、真っ暗の中手探りで二段ベッドを登りアイフォンの明かりで荷物を整理し、充電器につなぎ、洗濯物をほし眠った。
波乱万丈な1日だったが、とても楽しかった。コペンハーゲンカードは素晴らしい。
明日はどんな冒険が待っているのだろうか。
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