最近、毎日毎日レポートに追われて自由な時間がない。何か楽しいことないかな...とAmazon Primeを徘徊していてたまたま見つけたのがこの「きっと、うまくいく」というインド映画だった。
皆さんはインド映画と聞くと何を思い浮かべるだろうか。
Google検索に「インド 映画」と打ち込んで見ると...
真っ先にダンスが出てきた。そう。僕らが抱いているインド映画のイメージは”とにかく踊って踊りまくる映画”だ。
そして先ほどの検索画面に今回する映画「きっと、うまくいく」が表示されているように、この作品はインドの歴代興行収入一位を記録し、
スティーヴン・スピルバーグは「3回も観るほど大好きだ」と絶賛。
ブラッド・ピットも「心震えた」とコメントしたほどの名作である。
ただ僕がそれを知ったのは映画を見終えた後だった。
「なんだこの映画は。こんないい映画あったんだ。」
あまりに感動した僕はきっと大ヒットしたに違いないと思いググったのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆
大学時代、親友同士だったファランとラージューは同窓生のチャトルに呼び出される。チャトルが言うには、卒業後消息不明だった彼らの大親友ランチョーの居所が掴めたと言うことだった。
そしてファランとラージューは彼を探しにインドの奥地へと向かう。
この物語のメインは10年前の彼らが大学生だった頃の回想である。
10年前、インド屈指の難関工科大学ICEに入学した彼らは、自由奔放なランチョーに振り回され、いつしか三バカトリオ”3 idiots”と呼ばれるようになる。
彼らのアホな行動にいつも腹を立てていたのが学長のヴィールーだ。彼は人生は競争であり、いかにテストでいい点を取るかで成功できるかが決まると学生たちにプレッシャーを与え続けていた。
それに噛みついたのがランチョーだった。奔放に生きながらも人生で本当に大切なものは何なのかを真剣に考えていたランチョーは、ファラン、ラージューとともに行動し、青春を謳歌していく。
そんなランチョーの口癖が
”Aal Izz Well”(うまくいく)
だった。
こんな具合でおバカな行動を繰り返し、過去と現在のシーンを行き来しながらランチョーを探す旅が続く。
実はこの映画、2時間51分もある非常に長い映画なのだ。
だけど僕はこの三時間の間一度も退屈することはなかった。腹を抱えて笑わされたかと思いきや急にシリアスになってポロっと泣ける。
しんみりするなあと思っていたらインド映画おきまりのめちゃめちゃ明るいダンス!!!三時間ずっと振り回されっぱなしだった。もうとにかく面白い。
あとでインド映画について調べて見たのだが、ナヴァ・ラサという9つの感情を取り入れるのがインド映画の基本のようだ。
・シュリンガーラ (恋心/ロマンス)
・ハースヤ (笑い/ユーモア)
・カルナ (悲しみ/涙)
・ラウドラ (怒り/復讐)
・ヴィーラ (勇猛/アクション)
・バヤーナカ (恐怖/スリル)
・ビーバッサ (嫌悪/敵)
・アドブタ (驚き/サスペンス)
・シャーンタ (平安/ハッピーエンド)
「きっと、うまくいく」はまさにこの九つの要素が余すとこなく詰まっていた。
それに加え圧巻だったのが、インドの大自然である。
劇中、ランチョーを探すファランとラージューはインドの奥地へと車を走らすのだが、道中の景色が半端なく美しい。
ここはラダックという地域で、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に囲まれた標高3500mの土地。
荘厳な風景をバックに、インド映画特有の癖になるメロディが流れ、僕はすっかり虜になった。
映画の記事を書くとネタバレが怖くてどこまで書けばいいのか分からなくなる。この映画についてはその心配は必要ない。
あまりにも情報量が多すぎて、僕の能力ではこの映画の魅力を全て伝えることは到底できないからだ。
僕は見終わったあと、チャトルたちと一緒に大学生活を終えたような、そしてインド一周旅行に行ってきたような、不思議な爽快感に包まれた。
何回泣いて何回笑ったか。もう数えてられないくらい感情を揺さぶられた。登場キャラみんな個性的で、みんなどこか憎めないところがある。音楽もダンスもめちゃめちゃ王道インド映画っぽいんだけど、耳から離れないし口ずさみたくなる。
もうすっかり頭の中は「アールイーズウェールズ」(”Aal Izz Well” うまくいく)でいっぱいだ。
あなたの人生に必ずいい影響を与える三時間になることは間違い無いので、ぜひ観て感想を聞かせてほしい。
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ただ一つ忠告して置きたいのが、YouTubeにある予告編が素人が作ったんじゃ無いかってくらいあまりにひどいことだ。どんなもんかと思って予告を観るのはやめたほうがいい。
いずれにせよ、「きっと、うまくいく」は今まで観た映画ランキングトップ3には確実に入る感動作だった。
時間があるときにまとめてでも、一日に少しずつでも楽しめるのでぜひ観てほしい。