僕はGoogleのオフィスに行ったことがある。
とある知人の紹介でたまたま社員さんと繋げてもらい、ぜひ話を伺いたいということでオフィスに呼んでいただいた。
一つ断っておくが僕はプログラミングやビジネスコンテストで優勝したりだとか何か実績のある学生ではない。
ただコネというコネをコネくり回してGoogleに潜入したのだ。
この話はだいぶ昔の話なんだけど、最近自分がだらけ気味なのであの時のワクワクを思い出しながら書いていこうと思う。
1. 六本木ヒルズ森タワーへ
僕のブログに度々登場してくる六本木ヒルズ。僕は就活やプライベートでここにくることが多い。ゴールドマンサックス、JPモルガンをはじめ最近話題のUUUMやメルカリもこのバカでかいタワーの中にある。
訪問当日、僕は下で受付を済ましエレベーターに乗った。
この森タワーは低層階は商業施設になっていて、ブランド店や飲食店、映画館があり休日はカップルで賑わっている。
一方上層階のオフィスにいくには外部の人は入館手続きが必要で色々サインをしなくてはならない。僕は上層階に行ったことも何回かあったのでスムーズに作業を終えた。
やはりエリートが集まる場所のため、なんだか周りの社会人は忙しそうで色々な言葉が飛び交っていた。
僕は言われていた通りのエレベーターに乗った。26階(確かそのくらいのはず)につくと受付があり、隣の機械で個人情報を入力した。
(撮影禁止と言われていたので他サイトの写真を引用しています。)
<引用元URL>
さすがGoogle。受付のお姉さんはそこらへんでは滅多にお目にかかれないレベルの美人だ。
一つ言っておくと僕はさすがに緊張していた。なんてったって天下のGoogleである。日本中の、いや世界中のツワモノが僕のために時間を割いて会ってくれるわけだがはっきり言って何を質問したらいいかわからない。
すっかりアガってしまった僕は先ほど個人情報を入力する際に名前を英語で入力したのだが、First Name とLast Name がごっちゃになってしまい受付のお姉さんに聞くというなんとも恥ずかしい過ちを犯してしまった。
おまけに会う予定の方は何度かFacebookのMessengerでやりとりしただけの初対面の人だった。
そうこうしているうちに受付の人がいろはすとおしぼりと飴を持ってきてくれた。
それにしても広い待合室である。見たことのない形のソファーが置かれ、いろんな国の人たちがいた。
少し気持ちが落ち着いてきたところで約束の女性が現れた。
”今日はきてくれてありがとう。せっかくだし社員が使うカフェに行きましょうか”
Googleは26-30階がオフィスだ。僕は彼女について行きカフェに入った。
以前から、Googleのカフェは無料で使えて東京が一望できると聞いていた僕は期待に胸が高鳴った。そして僕が見た景色はその期待を一ミリも裏切ることのない、素晴らしいものだったのだ。
2. Google Cafeに入店
<引用元URL>
(以下の画像も同じ引用元です)
カフェに入ると目の前にオープンな感じのスタンドがあった。僕が伺ったのは平日の14時ごろでちょうどブレークタイムなのだろうか、社員さんが列を作っていた。
僕は彼女と列に並んだ。ちょうどその時友達が近くを通ったらしく声をかけた。
”ねえねえ、そういえば〇〇大学だったよね??同じ大学の子が見学にきてるから一緒に話そうよ!”
”いいっすよ!”
こんな感じでたまたま僕と同じ大学出身の方を捕まえてくれた。なんと優しい方だろう。
軽く自己紹介を済ませ僕らはコーヒーを頼んだ。いろんなドリンクがあり、システムはスタバと同じ感じだ。僕と同い年くらいの明るい笑顔の女性が丁寧に接客してくれた。
どうやったらGoogle Cafeでバイトできるんだろうか。
僕はカフェラテを頼み、三人で席についた。ここは地上27階。こんな感じで都会の景色を一望できた。
力を感じずにはいられない。
周りを見て気が付いたのだが、ほとんどスーツの人がいなかった。みんなジーパンにパーカー、中にはサンダルの人もいた。行ったことはないけどシリコンバレーもきっとこんな空気なのだろう。
カフェの隣にはレストランもあり、ランチタイムには社員は無料で利用できるらしい。
窓際には席がたくさん用意され、社員さんが集まって討論したり、1人でのんびり本を呼んでいる人もいた。とても自由な感じである。
ここからは具体的な仕事の話になるため周りに言ってもいいよと言われたところだけお話ししようと思う。
3. Googleで働くということ
簡単のため、お話を伺った女性をウキエさん、男性をノリスケさんと呼ぼう。
2人ともエンジニア職ではなくマーケティングなどで活躍している方だった。僕はてっきりほとんどがエンジニア職だと思っていたのだが、どうやら日本で働くエンジニアは少なく、アメリカに大量にいるらしい。
そして2人とも中途で入社したということで、以前は全く別の業界で働いていたということだった。
IT業界のヘッドハンティングは凄まじく、Googleですら三年以上働いてる人は珍しいということだった。すぐにキャリアアップのために別の会社に移ったり、結果を出せずにやめていく人も多いのだそうだ。
ちなみにハードワークハイリターンで有名な外資系の金融(ゴールドマンサックスなど)で働く人も二、三年で人脈を築いて転職、または独立する人がほとんどだそうだ。これもコネをこねくりまわして元社員の方から聞いたので間違いない。
”僕らは結果さえ出せば文句を言われることはない”
そうノリスケさんは語っていた。
実際働き方はかなり自由で、一応コアタイムは決まっているものの自宅からテレビで会議に出るもよし、仕事してもよし、遅くに出社したり早くに出社してその分早く帰ってもよし。とにかく自由に時間を使い、結果を出すことが求められている。
実際給料に関しても、ベースに対し実績に応じて与えられるボーナスの比が高い。つまり結果を出さなければあまり稼げないシステムだそうだ。これはGoogleに限らず外資系の会社はほとんどがそうだろう。
そのため海外のメンバーと打ち合わせするために深夜に出勤してテレビ会議することもあるのだそうだ。
実際彼らの仕事もとてもイノベーティブで経歴もユニークなものだった。一つ言えるのは名だたる名門大学を優秀な成績で卒業したエリートではなかったということだ。むしろ勉強はてんでダメで、でも一つ猛烈にハマってる趣味があってそれにのめり込んでたら声をかけてもらって採用が決まったというエピソードが多かった。
そしてびっくりしたのが2人とも英語があまり話せないということだった。
こんなに海外の人多いのに英語話せなくて大丈夫なんですか??と聞いたところ、確かにチームの7割が外国人だから話せるに越したことはないけど、単語とジェスチャーさえできればなんとか伝えられるよ。と話していた。もちろん日常会話くらいはできるようになったと話していたが、専門的な話になると周りがサポートしてくれるので問題はないらしい。
ウキエさんはこうも教えてくれた。
”逆にネイティブのイントネーションを真似する方が私たちの中では失礼とされてるの。要するに訛りを真似されてるってことでしょ??だから日本人は無理して発音良くする必要なんかなくて、日本語っぽい英語でいいから思いを伝えられればいいんじゃないかな。”
この考えは全く持っていなかったのでとても驚いた。
多様性を重んじる会社ならではの社風なのだろうか。Googleレベルの会社になれば英語を話せることだけじゃなんの武器にもならないのかもしれない。
こんな感じで仕事に関すること、2人の生活リズムや、どうやって採用面接を突破したかなどなど色々なことを聞くことができた。残念ながら全てを皆さんと共有することはできないが、Googleでの仕事はとても魅力的だった。
ただ世界中で働きたいという方は外資系には向いていない。日本以外の会社がわざわざ日本に拠点を作るために支社を持ってきたのだから、そこから海外に出張というのはほとんどないのだ。実際2人も出張はほとんどなく、総合商社など日系の企業で働く友達は海外によく仕事で行くということだった。
2人は口を揃えて論理的思考の大切さを説いていた。やはり実力主義の世界なので、いかに的をえた質問をし、自分の考えをまとめ、問題解決の最短経路を辿れるか、そういった力が試されるらしい。
皆さんも一度Googleに挑戦してみてはいかがだろうか。
ちなみに僕はGoogleを訪問する前、予習のためこの本を読みました。とても有名なので知っている方も多いかと思います。Googleの社訓やシステム、チームマネジメントについて詳しく書いてあり、実際訪問した時もこれに近い話を伺いました。Googleがどんな会社なのかわかりやすく解説してあるのでぜひ読んでみてください
How Google Works(ハウ・グーグル・ワークス) 私たちの働き方とマネジメント (日経ビジネス人文庫)
- 作者: エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル,ラリー・ペイジ,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
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