–僕は何なんだ。
4月が始まったばかりのある日。大学の窓口で休学届けを出した僕の手は震えていた。
”Twitterとブログを頑張るために休学する。”
僕は一体何をしているんだ。 浪人して1年遅れて大学に入ったのに、さらに1年遅れるのか。しかも名前も顔も出していない活動を本気で打ち込むために。
書類を提出し、家まで帰る途中の電車で僕は一度駅に降りた。
–このまま大学に引き返してさっき出した休学届けはなかったことにしてもらおう。普通に就活して研究室も適当に終わらせて卒論を出して社会に出よう。それが一番安全じゃないか。こんなよくわからないことのためにみんなと違うことをする必要なんてないさ。
反対側のホームに向かおうとした僕の頭の中にある言葉が蘇った。
–みんなもっとかっこよく生きてもいいと思うんですよ。
3月末、僕はブログの読者の方を集めたイベントを台湾で開いた。当初は4,5名来てくれる予定だったのだが、都合により人数が減り、イベントと称しながら一対一のサシ飲みになった。
待ち合わせの場所に現れたのは、かなり寒いにも関わらず短パン半袖ロン毛パーマの何ともファンキーな男性だった。
彼は日本の大学に通う院生で、大学の留学制度を使って台湾大学に来ていた。そんな彼の夢は何とプロサーファーだった。
「サーファーってね、みんな日焼けに困ってるんですよ。塗っても波ですぐに取れちゃうんですよね。じゃあウェットスーツ着ればって話なんですけど、それはね、サーファーの美学に反するんですよ。短パンでボードに乗るのが一番カッコいいんです。だから僕は飲む日焼け止めを開発したいんです。」
なるほど。でもそれってプロサーファーとどう関係があるんですか？と僕が聞くと、彼はニヤリと笑ってこう語った。
「プロサーファーってね、大会に出るサーファーと、モデルの仕事をするサーファーの二種類があるんです。僕はモデルの方になりたいんです。」
「飲む日焼け止めを開発したらね、自分の会社を作るんですよ。そしたら商品の広告モデルに僕を起用するんです。いいアイデアでしょ。」
僕は度肝を抜かれた。なんだこの人は。めちゃめちゃ面白いじゃん。
「僕はね、みんなもっとカッコよく生きてもいいと思うんですよ。やりたいことをやって、世間のルールなんて無視して。人生は一回しかないんだ。もっとカッコよく生きてもいいじゃない。」
「そのことに気づかせてくれたのは、他でもない、中島さんのブログなんですよ。まさか台湾で会うことになるなんて思わなかったけど、とても嬉しいです。これからも応援してます。」
握手を交わし、僕らは店を後にした。
自転車に乗り台湾の街に消えていく彼の背中が見えなくなるまで、僕は手を振り続けた。
あの日見た台北の景色を、僕は一生忘れることはないだろう。
–カッコよく生きる
提出した休学届けを取り下げに行こうと引き返した僕の足が止まった。
今の僕はカッコいいだろうか。
あの台湾で会った彼に顔向けできるような、カッコいい生き方をしているだろうか。
そして今までイベントに来てくれた200名を超える方、僕のブログを読んでくれた140万人の方々に顔向けできるようなカッコいい生き方ができているだろうか。
やりたいことを押し殺して、みんなそうしてるからと言う理由だけで適当に大学生活を終えるのは、果たしてカッコいい生き方なのだろうか。
もう答えは自分の中で出ていた。
家まで向かう電車に再び乗り込んだ僕に、もう恐れはなかった。
そして始まったゴールデンウィーク。
僕は全国を周り読者の方を集めたイベントを開いた。
福岡、広島、徳島、京都、名古屋、そして東京。
いきなり飛行機に乗れずファーストクラスに乗って何とか間に合うと言うハプニングもあったが、どうにか乗り越えることができた。
福岡の皆様、大変申し訳ありません。
日頃偉そうなことを書いている僕ですが、搭乗口を勘違いし乗り遅れてしまいました。
結論からいうとプラス5万でファーストクラスのチケットを買い、ラウンジで優雅な午後のひとときを過ごしています。
会の時間には間に合います！！
申し訳ありません！！！！ pic.twitter.com/GVfwRhPPvK
— 意識高い系中島 (@Nakajima_IT_bot) April 30, 2019
このゴールデンウィークの全国のイベントで、累計180名を超える方が来てくれた。
僕は正直驚いた。
顔も名前も出していない僕のイベントにこんなにもたくさん人が来てくれるのかと。
みんな義務教育で学んだはずなんだ。ネットで知り合った人に会いに行ってはいけないと。なのに、こんなにたくさんの方が会いに来てくれる。
そしてこの全国を駆け回った一週間は、忘れられない数々の思い出ができた。
ホテルのチェックインが迫って一緒に雨の博多を全力疾走しながら起業の夢を語り合ったこと、みなさんとラーメン屋を探し回っている最中に令和を迎えたこと、原爆ドームを見に行ったこと、徳島でイベント後に山梨から来てくれた方の車に乗ってファミレスまで行ったこと、京都の鴨川で等間隔に並んだこと、意識が高すぎて名古屋でトヨタ産業技術記念館に行ったこと。
いそのー！読者の方と福岡を歩いているうちに令和を迎えたぜー！みんなこれからもよろしくお願いしますだー！！！ pic.twitter.com/gyck162uX4
— 意識高い系中島 (@Nakajima_IT_bot) April 30, 2019
いそのー！広島を読者の皆さんと観光したぜー！#意識高い系中島 pic.twitter.com/l2hpns4oNn
— 意識高い系中島 (@Nakajima_IT_bot) May 1, 2019
いそのー！徳島大盛り上がりー！！！#意識高い系中島 pic.twitter.com/qD1UmNUAIC
— 意識高い系中島 (@Nakajima_IT_bot) May 2, 2019
京都観光に付き合ってくれた読者の方と、鴨川で等間隔に並びました。 pic.twitter.com/C8oHVRSwjM
— 意識高い系中島 (@Nakajima_IT_bot) May 3, 2019
いそのー！意識が高すぎて読者の皆さんとトヨタ産業技術記念館に行ってきたぜー！#意識高い系中島 pic.twitter.com/kXWqXt8LmB
— 意識高い系中島 (@Nakajima_IT_bot) May 4, 2019
他にもここであげたら3万字を超えてしまうくらい素敵な思い出がたくさんできた。
そして僕は、僕が思っている以上にたくさんの人の人生を変えていたことにも気が付いた。
僕の記事を読んで起業した人、筋トレを始めてうつ病が治った人、彼女が生まれて始めてできた人、即レスフッ軽になって人生が楽しくなった人、就活がうまく行った人、TOEICの点数が上がった人、などなど。
いろんなところに行って、いろんな人と話して、いろんな意見を聞くことで、僕は、僕が思っている以上にたくさんの人の人生を変えていたことに気がつかされた。そしてその体験は、涙が出るくらい嬉しいものだった。
–僕は何なんだ。
休学をした当初、この問いに対して納得のいく答えを出すことができなかった。
名前も顔も出さずひっそりとブログを書き、イベントを開く自分。
果たして僕は何をしているのだろうか。どこに向かっているのだろうか。
僕は一体何なのだろうか。
この問いに対する答えが、このゴールデンウィークを通して見つかった気がした。
それと同時に皆さんと話して、意見を聞いて、プレゼンを聞いて、それぞれ夢や希望を持っていることが分かった。それと同時に、自分は果たしてうまくやっていけるのか、このままでいいのか、不安も抱えていることも実感した。
僕はブログやイベントを通して、そんな彼らの背中を押すことができるんじゃないか。
いや、できる。やるしかない。
そしてそれこそが、僕の目指しているカッコいい生き方なんだ。
GW最終日。5/6の渋谷の会に集まってくれた約80名の方とお話ししながら、僕はそんなことを考えた。
みんなが前向きなれるような記事をこれからも書こう。
そしていろんな人が集まって交流できる場をこれからも作っていこう。
そして生まれてきてよかったと思えるよう、カッコよく生きよう。
会場の片付けを終え、参加してくれた方、そして運営を手伝ってくれた読者の方と渋谷の街を歩く。僕の中に新たな決意が芽生えた瞬間だった。
このゴールデンウィークを通して「僕は何なんだ。」と言う問いに対する答えの一部を見つけることができた。それもすべて、このブログを読んでくれる、そしてイベントに来てくれるみなさんのおかげだ。本当に感謝してもしきれない。
名前も顔も出してないこんな正体不明の僕を面白がってくれて、文章を読んでくれて、会に来てくれて、本当に本当にありがとうございます。
そしてイベントの運営を手伝ってくれた皆さんも本当にありがとうございます。
写真と動画を撮ってくださったにごーさん、かずやさんにも大変お世話になりました。ぜひ皆さんTwitterやインスタをフォローしてください。
写真を撮りました https://t.co/PNhVYQepl3
— にごー (@_25j) May 6, 2019
これからもどうか意識高い系中島をよろしくお願いします。
そして大好評につきまして先日の5/6のGW FINAL PARTYでお借りしたBranding Engineerさんの会場を再びお借りし、6/16に15:00-20:00でイベントを開催することが決定しました。
大好評だったBranding Engineerさんが運営するプログラミングスクールtech boostさんのプログラミング無料相談会も開催します！
早速TwitterやインスタのDMから参加してくださる方を募集します。ぜひ来てください。
それではみなさん、素敵な1日を。
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