みなさんこんにちは。早いものであっという間に2019年の一月が終わろうとしています。
さてそこで今回は2018年に読んで面白かった本を紹介したいと思います。
今日紹介するのは小説。
僕自身、ビジネス書とかよりも小説が好きで、僕が書いてる文章もその時読んでいる作家さんに影響されているところがかなりあります。
2018年はだいたい30冊くらい小説を読みました。その中から僕が自信を持ってオススメする9冊を紹介します。
1. グミ・チョコレート・パイン
2018年に読んだ本の中で圧倒的に面白く時間を忘れて夢中でページをめくったのがグミ・チョコレート・パインです。
大橋賢三は高校二年生。学校にも家庭にも打ち解けられず、猛烈な自慰行為とマニアックな映画やロックの世界にひたる、さえない毎日を送っている。ある日賢三は、親友のカワボン、タクオ、山之上らと「オレたちは何かができるはずだ」と、周囲のものたちを見返すためにロックバンドの結成を決意するが…。あふれる性欲と、とめどないコンプレックスと、そして純愛のあいだで揺れる“愛と青春の旅立ち”。
もうこの紹介文の時点で面白い。
冴えないどこにでもいる高校生の賢三は頭も良くない、運動もできない、顔も悪いのにも関わらず「俺には他の奴らにはない何かがある」と信じて疑わない。名画座に通いつめ、家では誰も聞かないロックと小難しい本を読んでは「俺は他の高校生とは全く違う世界を生きている」と悦に浸るイタすぎる高校二年生です。
そんな賢三は密かに思い焦がれている女の子がいました。
彼女の名前は「山口美甘子」。
誰もがあっという美貌を持つ彼女とひょんなことから接点を持つようになった賢三は、自分も何かするんだとバンドを結成します。
「俺には他の奴らとは違う何かがある。」
その何かを見つけるため奔走する賢三ですが、もがけばもがくほど自分はなんの取り柄もない平凡な人間だということに気付かされます。そんな中、山口美甘子は賢三をよそに、誰もたどり着けない世界に一人歩みを進めるのでした。
グミチョコレートパインは今まで読んだ小説の中でもトップ3に入るくらいおもしろかったです。もうね。アツいのよ。ページをめくる手が止まらないの。この青春の汗臭い疾走感がたまらないのよ。全国の悩める若者に送りたい、そんな小説です。
ちなみにグミチョコへの愛が深すぎて7000字にも及ぶ記事を書いてしまったのでぜひそちらも読んでみてください。
2. 竜馬がゆく
続いては司馬遼太郎の代表作「竜馬がゆく」。
かの有名な坂本龍馬の生涯を描いた名作です。
これも今まで読んだ小説の中でも5本の指に入るくらい胸を熱くさせられました。
悲しくて泣くんじゃなくて、あまりにも竜馬がかっこよくて涙が出てくるんですよ。動乱の時代を生き抜いた、日本を、そして世界を変えようとした坂本竜馬の生き様がアツすぎる。
全部で8巻ありますが、時間を忘れてあっという間に読みきりました。あの感動をもう一度味わいたい。また竜馬と一緒に時代を駆け抜けたい。そう思わせてくれた小説です。
こちらも記事で熱く思いを語りました。
彼の生き様は時代を問わず実生活で活きるものです。そこらへんの内容のないペラッペラの自己啓発本に割く時間とお金があったらぜひ竜馬がゆくを読んでみてください。
同じく司馬遼太郎著の「燃えよ剣」は坂本龍馬を止めようと奔走した新撰組鬼の副長・土方歳三の生涯を描いた名作です。己の使命のため、心を鬼にして激動の時代を生き抜いた彼の生き様に心を打たれました。こちらもぜひ。
3. グレートギャツビー
1920年代、誰よりもアメリカを湧かせた「失われた世代」の作家の一人、スコット・フィッツジェラルドの代表作。
翻訳を務めたのは村上春樹。
もし「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本を三冊あげろ」と言われたら、考えるまでなく答えは決まっている。この『グレート・ギャツビー』と、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』と、レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』である。
そう語るほど村上春樹に大きな影響を与えた一作です。
豪華絢爛な邸宅を持ち、夜な夜なパーティーを開く男ギャッツビー。そんな彼の近くに引っ越してきた「私」は次第にそのギャツビーの素顔を知る。華やかな暮らしとは対照的に、純粋で素直で、静かな情熱を胸に秘めるギャッツビー。そんな彼と親睦を深める私だが、ある日彼がなぜこの地に住むのか、衝撃的な理由を知る。
グレート・ギャツビーで描かれるのは私の目線を通して描かれるギャツビーの人間性です。知的で華やかで、それでいて純朴な彼の顔には、いつも何か物憂げな影が見え隠れします。
僕はそんな主人公の視点で描かれる、才能を持った人物が登場する小説が好きで、例えばヘッセの「デミアン」やサリンジャーの「ナインストーリーズ」の「テディ」もそのタイプのお話です。
そして村上春樹の翻訳により、日本語には訳しずらいフィッツジェラルドの絶妙な言い回しも僕らに分かりやすく表現され、彼の世界に誘ってくれます。
稀代の名作をこの機会にぜひ味わってみてください。
4. 限りなく透明に近いブルー
こちらは刺激の強い一冊。一言で言えば酒ドラッグセックスなんでもありの小説です。だいたいどのページをめくても誰かしらキマっており、まともな人間が誰一人としていません。
そんな退廃的な世界の中で描かれる希望と絶望。
非日常を体験できるのが小説の魅力の一つだと僕は思っています。
そんな僕らは決して体験することのできない世界に連れて行ってくれる一冊です。
5. ノルウェイの森
村上春樹の代表作「ノルウェイの森」。
高校生の時に初めてこの小説を読んだ僕は「いつかノルウェーでノルウェイの森を読もう」と心に決め、去年の9月、その夢を叶えました。
ノルウェイの森の何が面白いのかと聞かれると、非常に答えにくい。作中に漂う儚さに魅力を感じるのもそうですが、永沢さんやレイコさんなど個性豊かな登場人物にも目を惹かれます。そして村上春樹の描く現実と空想の境界のない曖昧な描写もたまらなくいい。
これぞ村上春樹といった作品です。
個人的に好きなのは東大に通う主人公と同じ寮で暮らす天才永沢さんのこのセリフです。
他人と同じモノを読んでいれば他人と同じ考え方しかできなくなる、そんなものは田舎者、俗物の世界だ。まともな人間はそんな恥ずかしいことはしない。なあ知っているか?ワタナベ?この寮で少しでもまともなのは俺とお前だけだぞ、あとはみんな紙くずみたいなもんだ。
誰もが一度は名前を聞いたことのある小説だと思います。まだ読んだことのない人はぜひ手にとってみてください。
6. まるこだった
ちびまる子ちゃんの作者さくらももこさんのエッセイ。8月にがんのためなくなったさくらさん。さくらさんは漫画はもちろんのこと、エッセイストとしても才能を発揮されていました。
軽い弾むような柔らかくテンポのいい文章から、絶妙な間合いで繰り出されるギャグ。笑いあり涙ありのこんなに面白いエッセイをかけるのは彼女しかいません。
ももの缶詰、ももこの話もとても面白いのでぜひ読んでみてください。
7.君たちはどう生きるか
2018年に再ブレイクした吉野源三郎の代表作です。漫画版が大ヒットしましたが、やはりこの「君たちはどう生きるか」の真髄を味わうには小説版がおすすめです。
父親を幼い頃に亡くし、母と生きるコペルくん。父親代わりに彼を優しく見守る「おじさん」
色々なものが混ざり合い、せめぎ合う世界で、本当に人間として歩むべき正しい道は何なのか、おじさんとの心温まる交流を通してコペルくんは学んで行きます。
ジブリ大好きな僕が耳にした情報によると、ジブリで映画化されるとかされないとか...
今を生きる全ての人に読んでいただきたい、心温まる名作です。
8. 十字架
最後に紹介するのは重松清著の「十字架」
いじめを苦に自殺したフジシュンこと藤井俊介の遺書に、なぜか「ありがとう」と感謝を述べられた主人公。特別フジシュンと仲が良かったわけでもないのに遺書に名前を書かれた彼は、いじめを見て見ぬふりをしてきた自分を悔い、フジシュンにとって自分はなんだったのかと思い悩みます。
そしてフジシュンが密かに思い焦がれていたサユにも遺書で「誕生日おめでとうございます」のメッセージが。
フジシュンの遺書をきっかけに人生が大きく動いた二人。いじめを見て見ぬフリをした結果自殺したフジシュン。彼らはじめクラスメイト全員が今後一生「十字架」を背負って生きていく。そんな重いテーマを扱いながら生きるということの意味に真摯に向き合っていく名作です。
この本で重要な役割を担うのがスウェーデン・ストックホルム郊外にある森の墓地。
自殺したフジシュンが一人密かに作っていた世界一周旅行のプランで終着点に選んだ場所です。
実は僕はそこに昨年の秋に一人で訪れました。
フジシュンが見たかったのはこの景色だったのか。
一人、朝の静かな森の墓地を歩きながら、例えようのない感動に震えたのを今でも思い出します。
いじめを扱った作品は読むのが苦しいですが、今を生きるみなさんにぜひ読んで見てほしい一冊です。
いかがでしょうか。2018年に読んで面白かった本を紹介させていただきました。
こちらの記事では2017年に読んで良かった本も紹介してあるのでぜひ読んでみてください。
近日中に2018年に読んで面白かった本<実用書編>をアップしますのでそちらもぜひチェックしてみてください。それでは!
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