「か〜め〜か〜め〜波〜!!!」
「お前何言ってんだよ!かめかめじゃねえし!!!」
「は?かめかめだろ!!!」
「ちげえし!!!かめはめだし!!!」
「な、何言ってんだよ!!!うるせえよ!!!」
僕はドラゴンボールを見たことがありません。
日曜の朝は決まってワンピースを見ていました。
確かワンピースの前の枠でドラゴンボールが放送されていたんですけど、なんとなく絵柄が古いのと途中から見ても話についていけないのではと思ってしまい、今まで一度もドラゴンボールを見たことがないんです。
ただ周りではめちゃめちゃ人気でした。小学校の休み時間には「かめはめ波〜!!!」とはしゃいでいる同級生がたくさんいました、一方で僕は「かめはめ波」をずっと「かめかめ波」だと思っていたくらい全く興味がなかったんです。
ただもちろん有名なキャラの名前は聞いたことがあります。
ベジータやフリーザ、ピッコロなど名前だけでインパクトのあるキャラはだいたい聞き覚えがあります。でも写真を出されて誰がどれと言われたら沈黙してしまうんですよね。それほどまでに僕はドラゴンボールの知識がないんです。
そんな僕はこの間、ドラゴンボールの映画を見に行きました。
ちょうど無料で見られるチケットを知り合いからもらい、せっかくなのでと一人足を運んだのです。
映画館に到着。長年のファンらしき人たちと子供連れしかいません。
圧倒的アウェイの中、巨大な映画のポスターを見上げます。
......誰だ
もちろん左の「悟」と書いてあるキャラが孫悟空なのは分かります。
問題は右です。彼が誰なのか分からない。キャラの名前だけはいくつか知っているのに、顔と名前が一致しないんです。
トランクス?ヤムチャ?多分ピッコロではないよな...
ちなみにタイトルにもあるブロリーって誰だ。
なんかゴツそうだな。魔人ブーとか聞いたことあるぞ...その親戚かな?
こんな感じで孫悟空しか自信を持って分からない状態で僕は映画館に突入しました。
僕が映画を見る前にドラゴンボールに対して抱いていたイメージはこうです。
「孫悟空が仲間と一緒に敵を倒す。ピッコロとかベジータとか魔人ブウとかブロリーとかフリーザとか悪そうな名前のやつらは敵だけど、なんだかんだで戦ううちに仲良くなって、最後はみんな一緒にラスボスを倒しにいく。」
以上。原作者の鳥山明が聞いたら泣いちゃうんじゃないかってくらいの理解の浅さです。
そんな僕でしたが映画は意外と楽しめました。なぜならキャラが誰かも分からないので、推理ドラマの如く、こいつは誰だと想像を巡らしながら映画を見られたからです。
※以下ネタバレとも言えない本編に関する内容が登場しますが、本人が全くストーリーを理解していないのでネタバレに入らないと思います。神経質な方はいますぐこのページを離れてYouTubeでも見ていてください。
映画が始まってまもなく、いきなりフリーザが誰か判明しました。
さすがにこれは僕でも予想はついていました。
ツイッターでも度々理想の上司としてネタツイがバズるフリーザ。
圧倒的悪役ビジュアルながらも丁寧な言葉遣いで部下に接する彼の姿を見てこいつがフリーザがと予想。見事に的中です。
しかし問題はここからです。
ベジータの父親らしきキャラが登場したのですが、すごい嫌なやつなんです。それに加え彼らはサイヤ人という人種で、彼らサイヤ人を支配し働かせているのがフリーザらしい。このフリーザ、指からビームを出していろんなものをぶっ壊していました。つ、強い。
そしてカプセルの中に眠っているのがベジータでした。
そしてついに出た!ブロリー!
「ベジータ王様...ブロリーの潜在能力は王子様以上かと...」
こ、こいつがブロリーか!ベジータと同じ部屋でカプセルの中ですくすくと成長する赤子こそがブロリーだったのです。
しかし嫌なやつのベジータの親父はブロリーが息子を超えることを恐れ辺境の惑星へ赤ん坊にも関わらず一人追放してしまんです。しかもその惑星は何もいいところがない荒れ放題の惑星。
「なんもいいところないって、群馬かよ!」
そうつっこみたくなるような星だったのです。なんてやつだこのやろう。お前の血は何色だ。
しかしそんな辺境の惑星に息子が飛ばされるのを許すわけがなく、ブロリーの父親パラガスは後を追います。そして息子を追放したベジータ王に復讐するべく、ブロリーを最強の戦士にすることを心に決めたのでした。
一方その頃、理想の上司No.1ことフリーザは全国のサイヤ人を一斉招集。そして指からでる謎ビームでサイヤ人を星ごと滅亡させます。
え、そんなのありなんすか???
フリーザ強すぎるやろ。
一方、滅亡直前、間も無くサイヤ人が殺されることを悟った彼らの一人が、下級戦士と判定された息子を一人地球へ飛ばしました。その赤ん坊の名はカカロット。この名前も聞いたことがありました。なんて過酷な運命をたどるんだカカロット。かわいそうに。そして間も無くサイヤ人はフリーザの謎ビームで滅んでしまうのでした。
そんな感じで話は展開して行くのですが、数年後の場面から途中で話が代わり、なぜか孫悟空とベジータが海でトレーニングをしていました。その横には犬の形をした神様がいて、あとよく分からん髪型のやつと、ブルマと呼ばれる女性もいました。
なんだこのシュールな光景は。しかもこれは地球らしい。
彦摩呂がいたら人種のサラダボールや〜と言い出さんばかりの光景です。
ちなみにこのブルマという名前も知っていました。
どういう経緯で悟空とベジータが仲良しになったのかも全く知らないですが、二人はスーパーなサイヤ人、スーパーサイヤ人になれるらしく、ブルマはベジータの妻らしいです。一体どうなってるんだ。
そんな中ブルマに連絡が。
なんかちっこい子どもらしき集団がドラゴンボールが盗まれたと連絡をよこしてきたのです。
そのちっこい子どもがなんなのかはもう触れないでおきましょう。それよりも......
ドラゴンボール!!!やっと出てきた!!!
そういえばこのアニメのタイトルにドラゴンボールとあるのに一体それがなんのか気になりもしませんでした。どうやらドラゴンボールは7つ揃えると願いが叶うらしい。魔法のランプはこすれば魔人が出てきて願いを叶えますが、こっちはそうはいきません。全世界に散らばった7つのボールを集めなくちゃならんのだ。人生そんなに甘くない。
しかしその後ブルマから衝撃の発言が。
「あと一個だったのに〜」
え、お前6個も集めてたんかい!
すると悟空からもこんな声が
「おめぇもうそんなに集めてたのか〜」
え、ドラゴンボールってそんなに扱い雑なの?みんなそのボールが欲しくてバトってたんじゃないの?おまけにブルマはゆるゆるなセキュリティでドラゴンボールを管理していたらしい。監視カメラの映像によるとフリーザの手下が天井からスルスルと縄を伝って忍び込んでいるではないか。
ゆるい、ゆるすぎる。
ALSOKも激オコの危機管理の甘さである。ましてあと一個のとこまで集めた6個のドラゴンボールを,,,
何はともあれ敵は6個のドラゴンボールを持って寒い大陸に向かったらしい。最後のボールもどうやらそこにあるようです。
ドラゴンボールを取り返し7つ揃えるために寒い大陸に向かった悟空御一行。
さすがは強い悟空とベジータ。一瞬でボールを回収。
すると巨大な宇宙船でフリーザとブロリーが登場します。
間の説明は省略しましたが、フリーザがサイヤ人を滅ぼしたことを知らないブロリーパッパはフリーザについていけばベジータ王に復讐ができるとまんまと騙されてしまいます。
さて、因縁の対決が始まりました。
この戦いがすごいアツかった。
基本「うおおおおおおおお」しかお互い言ってないのですが、そこは筋トレ大好きな自分、殴り合う姿に大興奮。
か、かっけえ〜
ずっと釘付けになりました。
ただ途中髪が金色に変わったり赤になったり青になったりはマジで意味不明でしたが、ひたすらかっこよかったです。
でもね、この戦闘がめちゃめちゃ長くてしばらく寝てしまいました。
いや、ドラゴンボール好きな人なら「あの技キター!」とか「次これ来るぞー!」とかあるかと思うんですけど、僕マジでドラゴンボール一回も見たことないから長すぎる戦闘シーンに途中飽きてしまったんですよね。
あと基本バトル中ずっと悟空もベジータもブロリーも「うおおおおおお」しか言ってなくて。最初のうちは「うおおおおお!かっけええ!」って一緒にうおおおおってなってたんですけど、このうおおおおおを50回くらい聞いているうちに慣れてきてしまってね、一種の催眠術みたいになっちゃって。ずっとうおおおって聞かされてるとね。
なんだこの暑苦しい催眠術は。
で気がついたらぐっすり眠ってたわけですよ。
で何分くらい寝てたんでしょうか。起きるとすごい頭がスッキリしてて。おそらく結構寝てたんでしょう。
が、しかし。
まだうおおおおおってやってる〜
しかも違いが分からない。あれ?戦闘進んでる?
寝る前と同じ格好でバトってるし相変わらずうおおおおおって叫んでるし。
もしかして俺、タイムリープしてる???
そんなアホなことを考えちゃうくらい戦闘がずっと続いていました。
しかしさすがは劇場版。目覚めてスッキリした頭で見ると改めてアクションのかっこよさに魅了されました。
何よりみんなの筋肉がやばい。
普段筋トレしかしていない僕ですが、彼らには完敗です。やべえ、もっと筋トレしないと。
そんな感じで長かった戦闘も終わり、エンディングへ。詳しくは寝起きの頭で覚えてませんでしたが、最後の悟空の言葉におったまげました。
「おいらは孫悟空。またの名をカカロットだ!」
え、ええ〜〜〜!!!
あんたカカロットだったの???
あの地球に赤ん坊のとき一人飛ばされた〜!?!?
衝撃の事実に一人目を丸くしてました。
孫悟空=カカロットなのか。
(ちなみに悟空の言葉は多分もう少し違う言い方をしていました。うろ覚えの中言いそうな感じで書きました。いや、またの名はなんて言わないかな。)
最後の最後で衝撃の事実を知った僕は一人劇場を後にしました。
最後まで全然ドラゴンボールの知識なくてずっと新鮮な感動を覚えました。戦闘シーンはめちゃめちゃ大迫力。ドラゴンボール見たことない僕でもすごい楽しめました。
結果としては途中でうおおおおの催眠術にかかりうっかり寝てしまいましたが、ドラゴンボール超ブロリーは予備知識が無くても無いなりに楽しめることが分かりました。たまにはそうやって映画を見るのもいいね。
ぜひみなさん劇場に足を運んでください。