映画「フライト」 そのタイトルにアメリカらしいセンスを感じずにはいられない

 

 

元アメリカ海軍パイロットのウィトカーは その日、オーランドからアトランタへ向かう航空機の機長を務めた。

 

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しかし離陸直後、機体に異常が発生。制御不能となり急降下を始めてしまう。

 

誰もが墜落を免れないと死を覚悟したその時、ウィトカー機長のとっさの判断により機体は一時安定。徐々に高度を落とし、結果、機体は不時着に成功する。普通なら全員死亡していたところ、乗員乗客102名のうち96名が奇跡の生還を果たした。

 

 

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普通ならウィトカー機長は一躍、時の人となっていただろう。

全員が墜落して死亡するはずだった事故を、奇跡的にたったの6名の死者を出したのみで、被害を最小限に抑えた。

 

 

 

しかしウィトカー機長には秘密があった。

 

彼は重度のアルコール中毒かつ薬物中毒だったのだ。

 

酒を飲んではいけないはずのフライト前夜にも大量の飲酒。飛ぶ日の朝には、二日酔いをぶっ飛ばすためにコカインを摂取。キメキメでハイになってそのままフライハイしてしまう。 とんでもない男だ。

 

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さらにこの男は飛行中も関係なく酒を飲む。機内サービスの酒を勝手に取り出しジュースと混ぜて一気に飲み干す。とにかく酒がないと生きていけない男なのだ。

 

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そんな中、起きてしまった事故。明らかに原因は機体の故障であった。ウィトカー機長の飲酒や薬物摂取は事故の原因とは直接関係がない。むしろウィトカー機長以外のパイロットが操縦していたら全員が死亡していた。

 

この映画の見所は大きく2つある。

1つは先ほど触れた不時着のシーンで、どんなパニック映画にも負けないくらいの臨場感あふれる演出になっている。

もう1つは事故後のウィトカー機長を巡るドラマだ。

 

 

死人が出た以上、警察や航空会社は事故の責任を誰かに押し付けたい。もちろん機体に異常があるにも関わらずそれを発見できなかった航空会社が責任を負うべきだ。しかし万が一、航空会社が事故の責任を負うとすれば、会社の評判は一気に下がり機体は売れなくなり一気に経営が傾いてしまう。

 

 

 

できれば機体のせいではなく、パイロットのせいにしたい。

 

アメリカの警察は優秀だ。 当然ながら事故直後に血液検査は行われ、ウィトカー機長がアルコール、そして薬物を摂取していたことはすぐに判明した。

 

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乗員乗客の命を救ったヒーローであるはずのウィトカー機長は一転、容疑者として世間の追求を受ける身になってしまう。果たしてウィトカー機長はどうなるのだろうか。

 

最初は一見、アル中ヤク中ぶっ飛んだ凄腕パイロットが空を飛ぶクレイジー楽しいアメリカ映画かと思いきや、ヒーローから一気に犯罪者とみなされた男の数奇な運命を描いた話へとシフトしていき、非常にディープだった。

 

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そしてクライマックスが最高に楽しい。

是非ラスト20分に注目してみてほしい。

 

 

この映画「フライト」はそのタイトルにアメリカらしいセンスを感じずにはいられない。コカインをキメてハイになる。そんでもって空をフライハイするというようなふたつの「飛ぶ」という意味がかけられている。たった一語でこの映画の見所を表現しているのだからうーんと唸ってしまう。うまい。

 

実は僕は明日飛行機に乗るのだが、この映画を見て怖くて仕方なくなった。どうか墜落しないでほしい。 お願いだからパイロットさん、 酒とか薬とかやらないでくれよ。

ただ僕は目的地まで10時間以上飛行機に乗るので、 酒を飲んでぐっすり眠りながら空の旅を楽しみたいと思います。

 

それではみなさん。良い1日を。

 

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