僕は小さい頃から野球を続けていて、そのため数多くの野球漫画を読んで来た。
同じ少年野球のチームに野球漫画を数え切れないくらい集めている友達がいて、毎週末彼の家に行っては片っ端から読み漁っていた。
メジャー、ドラベース、あおい坂、ダイヤのA...有名な野球漫画ならほとんど読んだと思う。
そんな数ある野球漫画の中で僕の忘れられない漫画がある。
それがこちらの「やまだたいちの奇蹟」だ。
このいかにも一昔前の絵柄からは想像できないくらいこの漫画は面白い。
笑って泣ける野球漫画とはまさにこのこと。漫画史に残る名作だと思っている。今こうして改めてこの作品のことを調べ直していると、ワクワクしながら夢中でページをめくったあの日々が蘇ってきた。
何をやらせてもダメダメな少年、山田太一は超ド級のアホだった。
うんこより役に立たない彼には幼い頃から変わらない夢があった。
憧れの三原監督の指揮するアストロズを優勝させることだ。
万年最下位のお荷物球団アストロズを優勝させると、あのうんこより役に立たない山田太一が言い張るものだから周りはもう大笑い。誰も真面目に受け取らなかったが太一は諦めなかった。
18歳になった太一はアストロズのトライアウトを受け強引にプロ入りを果たす。その入り方も入り方で奇想天外だったため契約金はわずか10万円。(この話はぜひ本編で読んでいただきたい。)
しかも太一は小学生並みの低身長、腕も短く全くもってプロで活躍できる望みはない。
はずだった。
しかし「やまだたいちの奇蹟」のタイトル通り、この見た目は小学生、頭脳は小学生以下のちんちくりんが誰もが想像できない奇蹟を起こすのだった。
なんと言ってもこの漫画の魅力は主人公・山田太一だ。
ただのドアホだった太一の才能が、アストロズを優勝させるという強い信念のもと死ぬ気でプロの世界に挑み続けた結果、次々と開花していく。
弱小チームが強敵をなぎ倒していくのが好きな人にとってはたまらない展開だ。
そしてこのなんとも言えない古い絵柄がたまらない。
この一見、ギャグ漫画風の絵が熱い野球ドラマを描くことで一層感動を引き立たせる。
漫画では下の画像にあるような太一の頭だけ持った菌「太一菌」がみんなに感染したりと訳の分からない設定もまた面白い。
とにかく最高の漫画なんだ。まじで。誰かとこの面白さを共有したい。誰か読んだことある人、いませんか!
調べてみると「やまだたいちの奇蹟」はkindle unlimitedで無料で全巻読めるらしい。全部で14巻しかないのであっという間に読みきれる。涼しくなって来た今日この頃、王道中の王道をひた走った下克上野球漫画で胸を熱くしてみてはいかがだろうか。
<参考記事>