先日こんな質問が届いた。
僕はめちゃめちゃお腹が弱い。
どのくらい弱いかというと2日に1回は必ずお腹を壊している。
今まさにこの記事を書いているこの日も、既に3回お腹を壊し、トイレに駆け込んだ。
これはもう、僕の体質としか言いようがない。普通の人にとってはこんな頻度でお腹を壊すことはあり得ないらしいが、僕にとってはもう当たり前になっている。
こんな汚い話を夕食時に流すのもどうかと思うが、僕の腹痛エピソードを披露しようと思う。
お腹の弱さに苦しめられてきた半生
僕は既に小学校の時からお腹が弱かった。クーラーにあたってはすぐにお腹を壊し、お腹いっぱい食べてはお腹を壊し、おまけに体も弱くよく体調を崩していた。
それは中学校になっても全く治らず、ある日の部活の練習の日に、僕の腹痛史上最悪な出来事が起きた。
その日は酷く暑い夏の日だった、朝から気温は30度を超え、ユニフォームに身を包んだ僕は家を出た時点で既に汗だくだった。
炎天下のグラウンドでの練習。おまけに前日に降った夜で、グラウンドはびしょびしょだった。もうアップの時点でユニフォームが泥だらけでおまけに汗でぐっしょりだ。夏の日差しでどんどん蒸発するグラウンドの水分がムワッとした熱気に変わり僕を襲った。
そんな中、キャッチボールだのトスバッティングだの練習をこなし、休憩に入る。
タオルで汗を拭き、持って来た凍らせておいたアクエリアスをガブガブ飲んだ。
これが失敗だった。続いてノックに向かった途端、僕のお腹は急に悲鳴をあげ腹痛に襲われた。
やっちまった...
次の瞬間、僕はグローブを置きダッシュでグラウンドのトイレに向かった。
そのトイレというのがグラウンドにポツンと置かれたオンボロのトイレで、お察しの通りめちゃめちゃ汚い。
ドアを開けた途端30度を超える気温で蒸し風呂状態になったトイレから異臭が放たれ、それだけで僕は泣きたくなった。
おまけに和室和式便座であった。
和式は顔とヤツとの距離が近い。
それだけで嫌な気分になる。
サウナ状態の個室、そして立ち込める悪臭、さらに絶え間ない腹痛にとめどなく流れる汗。
地獄としか言いようがなかった。あの時の不快さを超える思い出は今までにない。
その後も僕に順調はお腹弱者としての人生を歩んできた。
お腹が弱い僕なりの対処法
そんな僕は20数年生きてきて、自分のお腹を守るために身につけてきた知恵がある。
まず一番大事なのはこれ、お腹を冷やさないことだ
例えば今日なんか僕がお腹を壊した理由は明確である。
ジムで筋トレを終えた後、シャワーを浴び、扇風機が回りクーラーが効いた部屋で冷たい水で混ぜたプロテインを一気飲みしたことが原因だ。
この瞬間が一番気持ちがいいんだけど、僕は二回に一回の確率でお腹を壊してしまう。
プロテインを飲んだが最後。扇風機とクーラーと水とでお腹が急激に冷やされあっという間にお腹が痛くなり、僕はトイレ駆け込んだ。
とにかくお腹を冷やしてはいけないのだ。
例えばクーラーが効いた部屋から外に出ただけでも僕はお腹を壊してしまう。ショッピングモールとか大型商業施設の中はクーラーがガンガン効いていてとても快適だ。
真夏なんて極暑の外を歩いてからクーラーが効いた屋内に入ると、とても気持ちよくて居心地がいいんだけどクーラーが効きすぎていて、半袖じゃ涼しくなりすぎることがある。
電車も同様だ、東京の電車は大体クーラーがガンガン効いている。
駅まで距離があるからって普通に半袖で行動し、そのまま電車に乗り込めばちょっと経った頃にはもうお腹が壊れてしまう。
なので、僕は薄手のパーカーを夏は持ち歩くことにしている。これさえ着ればそこまで涼しくなりすぎることはないし、お腹をきちんと守れる。
とにかく何か上に着てさえすれば問題はない。
しかしそうは言ってられない場合もある。
男子たるもの、どうしても素っ裸にならなくてはいけない時がある。
人間、素っ裸の時が一番無防備だ。僕にとっての無防備は背中がガラ空きで襲われたら死んでしまうだとかそういうことではなく、お腹が冷気に対して無防備な状態を指す。
素っ裸でいればクーラーは直接お腹にヒットし、油断していればあっという間にお腹が痛くなってしまう。
そういった男女の場面において、お腹を壊しトイレに駆け込むのはめちゃめちゃ気まずいしダサい。
絶望的に弱いお腹と付き合って20数年。僕はそういった失敗も経験してきた。
こういう情けない失敗を繰り返さないための方法は、自分で温度調節ができる空間にいる時は積極的にお腹を壊さぬよう調節することに尽きる。
自分のお腹は自分で守る。
今日はこれを覚えていただきたい、部屋に入る時もガンガンクーラーを効かせていては腹痛に襲われてしまう。自分にとってちょうどいい設定温度を見つけよう。
一方で自分で温度も調節できない街中でお腹を壊してしまった場合どうすればいいのだろうか。
大学はとてもいい場所だ。特にお腹弱者の僕にとって、腹痛に襲われてもいつでも授業を抜け出せ、綺麗なトイレがたくさんついている大学というのは居心地が本当にいい。いつでも安心してお腹を壊せる。
しかし、そうは言ってられない時がある、街中に出掛けている時などはそう簡単にはトイレを見つけることができない。
だが、僕は20数年間、この弱いお腹と付き合ってきた。街に出てはお腹を壊し、腹を抱えながら駆け回りなんとかトイレを見つけは難を逃れてきた。
出かけるたびに新たなトイレを見つけてきた。と言っても過言ではないだろう。
まず、オススメはデパートのトイレである。こういった商業施設は誰でも入れるのでいつでもどんな時でも利用することができる。逆にコンビニはトイレを貸し出していないところも多いし、貸し出していたとしてもトイレがひとつしか付いてないのでかなり並ぶ可能性がありオススメできない。近いところにデパートがあればまずそこに駆け込もう。
次におすすめなのがファストフード店だ。マックやバーガーキングなど都内ならいくらでも店舗がある。
どうしてもまずい時は商品を買う前に”ごめんなさいごめんなさい”と心の中で唱えながらトイレに駆け込もう。
事を済ませた後で何か買いに行けばいい。とりあえず自分のお腹を守ろう。
これは自分の体験談だが、市販の下痢止めは全くもって意味をなさなかった。なんていったって僕らの腹痛は突発的に起こるものであり、起きたが最後、もうトイレに駆け込む以外、道はない。
薬を飲んだところで遅い。お腹に入って溶けるまでに時間がかかる。それでは間に合わないのだ。僕は下痢止めを使って効果を実感できたことは一度もなかった。それを飲む暇があったらさっさとトイレを探して駆け込むのが一番いい。
これが20数年、お腹と付き合ってきた僕の結論だ。
そして言わずもがな、僕は自分が使う駅のトイレがどこにあるのか全て記憶している。
最寄りから大学まで十数駅あるのだが、その全ての駅で途中下車しトイレに駆け込んだことがある。だからもう場所はバッチリだ。
いつどこでお腹を壊しても最短経路を最短時間でトイレに駆け込むことができる。
どうでもいい自慢だが、中学時代のある日、よくいってたショッピングセンターで友達と映画を見に行ってた僕は、上映終了後、調子に乗って残っていたコーラを一気飲みしてしまいお腹を壊した。
映画館のトイレは観終わった人ですでに埋まっている。絶体絶命。
しかし僕は冷静だった。既にもうこの施設内の穴場のトイレまで知っていた。
映画館のトイレが使えないと分かるなりお腹をさすりながら小走りでトイレに向かう。
人気の少ない地下に向かい雑貨屋の間を縫うようにして進み、家具屋の奥にある誰も使っていないトイレに駆け込んだ。
事を終えた僕が店から出ると、友人が僕を探し回っていた。
彼は僕を見つけるなり、当時流行っていたハリーポッターにハマっていたからか、
「中島、どこ行ったんだよ?え?こんなところにトイレあるのかよ!必要の部屋にでも入っちまったのかと思ったよ!」
と言ってきた。
この必要の部屋というのはホグワーツの中にある特殊な部屋で、何かを心の中で求めながら通ると突如として姿を現す不思議な部屋だ。
楽器の練習をしたいと念じながら通れば機材が揃った防音の部屋が現れ、エロ本を隠したいと念じて通れば誰かが隠したエロ本だらけの部屋が現れ、漏れる!やべえ!と叫びながら通ればトイレが現れる。
残念ながらこの世界では必要の部屋は存在しないが、お腹の弱い人間に必要なトイレは街中に山ほどある。いつでも自分の必要を満たせるトイレの場所を把握しておこう。
自分のお腹は自分で守る。
これを心に留め、自分のお腹とうまく付き合っていこう。