僕は運と縁があって同年代の学生と比べると多くの社会人と飲みに行って話を聞く機会に恵まれている。
僕がそんな彼らとの会話で学んだことは、自分を変えるのは人との出会いで、一番大切なのは情熱だということだ。
でもこのことはただ生活しているだけじゃ絶対にわからないと思う。
僕が話を聞かせてもらった社会人の方達は、いわゆるエリートだ。有名大学を出て留学をし、名だたる大企業につとめ今は独立している。そういう人たちがたくさんいた。
でもそんな彼らが口を揃えていうのは
”一番大切なのは情熱”
だということだ。
でもこんなことはそこらへんの自己啓発本を見れば必ず書いてある。だからこそだ。こういう話は直接人から聞く必要がある。
僕が話した人で、ブラジルに留学したときにいかに日本のインフラが発達しているかを思い知り、世界に日本のようなガスの供給網を作るという夢ができた方がいた。その人は某大企業に新卒で入社。最終面接で熱く自分の夢を語り採用が決まった。しかし彼が配属された部門は、インフラとは全く関係のないコンピュータ系の部門だったのだ。彼はその仕事を2年続けてそれでも好きになれなかったら会社をやめると決意した。2年後、やっぱり自分に向いてないと判断した彼は、かなり給料のいいその仕事を辞め、都市インフラについて深く学ぶため大学院に入り直し、現在は新しく入った会社で世界中を飛び回っている。
その人は語った。
”大学生は給料とかブランドで就職を考えがちだけど、僕みたいにどうしてもやりたいことがある人は、絶対にその夢を叶えるために動いた方がいい。仕事はこの先何十年もしてくし、間違いなく人生の大部分をしめる。だったら好きを仕事にする、それしかないって気が付いたんだよね。”
他にも、いつか自分で宿を持つ夢を持っていたが、安定を求めて大企業に入った女性がいた。彼女は社会人になって5年がたったある日、ひとり旅で訪れたペンションにとても感動し、ずっと前に胸にしまった自分の宿を持ちたいという情熱が蘇った。彼女はすぐに会社を辞め独立。独立前に会社の仕事で築いた人脈を駆使し、古くなった家屋をリノベーションした。今では10件以上の老朽化した家屋をリノベーションし、おしゃれで住みよい家に改装。シェアハウスとして貸し出している。
彼女は言った。
”誰でも社会に出て何年か経つと、自分が本当にやりたいのは何だったんだろうって思うことがあるの。私はちょうどそれが5年目だった。棚の奥底にしまってた情熱を、たまたま掘り返したのね。そしたらそのことで頭がいっぱいになって。これをやらなきゃ一生後悔するって思ったの。だから私は決断したの。”
アメリカに渡ってMBAを取ろうとするも不合格になり、合格させてくれるまで帰らねえといって籠城し合格を勝ち取った人や、最終面接で落とされたことに納得が行かず社長室に殴り込み自分の夢を語り商社の内定を勝ち取った人、色々な人がいた。
彼らをそこまでさせたのは、揺るぎない情熱があったからだ。
一度ある企業の人事の方と話す機会があり、こんな話を聞いた。
”僕らは学生がビジネスコンテストとかスピーチコンテストとかで勝ったってこととかはあんまり重要視してないの。だってね、学生時代やったことって直接仕事に役立つ機会ってあんまりないもん。僕らが何を見てるかって、こいつと仕事したいなあって思わせるかどうかを見てるんですよ。それが簡単にわかる質問が、あなたが情熱を持ってることは何ですかって質問なの。そこでね、熱く語れる人と、小手先で乗り切ろうとしてる人で差が出てくるの。”
僕にはどうしてもこれがしたいっていう確固たる夢はないけど、こういうことをしてきて僕はこれについては自信があると熱く語れることはある。それを人の前で堂々と話せるようになりたいものだ。
最後に、僕はいろんな社会人との出会いで、いかに情熱が大切かを知った。だけどそれは、直接あって直接話を聞けたからだ。彼らが語る姿は熱く、僕の心に直接訴えかけてきた。もちろん自己啓発本をめくれば、いかに情熱が大切かなんてどこにでも書いてある。でも本で読んじゃだけじゃ、そんなの実感として伝わってこない。実際に人に会って、生の話を聞くのが一番いいのだ。
そのためには家にこもってないで、出会いを求めて外に飛び出すしかない。
情熱の大切さはブログ記事にも言える。自分が本当に感動して、絶対に人に伝えたいと思って書く文章には熱がこもる。でも間接的に得た知識をただ羅列するような記事にはそれがない。たとえば”ーだそうです。”とか”ーと書いてありました”というような文章じゃ、どうしても読み手の心には響かない。それは実際にPVに数字として現れてくる。自分の中で情熱を持って書いた記事は多くの人に読まれ、そうじゃない記事はあまり伸びない。情熱は必ず人に伝播するのだ。
自分を変えるのは人との出会いであり一番大切なのは情熱だ。
たくさんの人に会って、いろんな話を聞こう。
そのために家にこもってないで、外の世界に出よう。
そんな有意義な春休みにできたらいいよね。