先日コインチェックから580億円相当のNEMが流失するという大事件が起きた。
僕もこの記事に書いたように仮想通貨に投資を始めたので人ごとではない。
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今回の事件で、多額の財産を預けていた人たちは自分のお金が帰ってくるのかと不安で夜も眠れないことだろう。お金は精神安定剤だ。あって損することはない。あればあるほどいいと僕は思ってるし、そのことを身にしみて理解しているつもりだ。
そしていつもお金の話題になると、闇金ウシジマくんを思い出す。
闇金ウシジマくんは、10日5割の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の営業者・丑嶋馨と債務者を巡る人間模様を題材とした、社会の闇を描くストーリーだ。
今回のコインチェックの件で僕が思い出したのは、”フリーエージェントくん”編である。
この物語では天生翔という秒速で一億稼ぐ男に憧れた村上仁というフリーターが、情報商材の罠にはまり破滅していく様子が描かれている。
ここでお気付きの方もいると思うが、この天生翔のモデルは与沢翼である。
かつて高額な情報商材ビジネスで富を築き世間を騒がせた。現在はドバイでとても美人な奥さんと暮らしている。
コラムを更新しました。
純資産65億円達成、私から与沢流10の指針を載せました。
→ https://t.co/moredZ4o14
ここ最近インスタグラムとツイッターにUPした全写真も載せました笑
あっち系の写真もありまっせ。 pic.twitter.com/GsLL7KbHPD— 与沢 翼 (@tsubasa_yozawa) 2018年1月13日
そして、与沢翼がモデルの天生翔に憧れた物語の主人公、フリーターの村上仁は、一発逆転を夢見てネットビジネスの世界にはまっていくのである。
この話のリアルなところは、実際にこの手の情報商材ビジネスは身近に潜んでいるということだ。皆さんもTwitterで、”今は仕事をやめて週10分で30万稼いでいます。僕と一緒にビジネスしませんか?”と謳う胡散臭いアカウントにフォローされたことがあるはずだ。
これは99%情報商材だ。実際に儲けることはできないと思っていい。
物は試しということで、一度この手の類に手を出して見たのだが、やはり情報商材を売りつけられた。
”資金0から月収50万!”と謳っておきながら、いざ始めようとすると、”この必ず売れる顧客リストを今だけあなたに格安でご提供いたします!”とか、”今〇〇万円でこちらの商品を仕入れれば、半年後には5倍の値段で売れます!”とかとか。次から次へとお金を求めてくるのだ。僕は早々に見切りをつけ、一円も使わず、そして一円も儲けずにビジネスから降りた。
この”フリーエージェントくん”編もほとんど同じ話だ。初めはゼロから月収100万達成させると謳っておきながら、天生翔秘蔵のリストや教材を売りつけられ、これを買わないと一生上に上がれないと脅される。
まんまと騙された村上は親に多額の借金をしてしまうのだった。
情報商材の恐ろしいのはここからで、一度多額のお金をつぎ込んだら後に引けなくなることだ。100万円つぎ込んだ場合、100万円以上儲けなければ、ただ損をしたことになる。しかし100万円も稼ぐことは簡単ではない。
そこで情報商材屋は、もう200万出せば1000万稼ぐポテンシャルを秘めた情報をあげようと言ってさらにお金を巻き上げる。
そしてあとはこれを繰り返すだけだ。
実際に数百万円稼ぐことに成功するが、それと同時に借金は数千万円へと膨らむ。それを返済するためにさらに高額な情報商材を買い、また儲けても借金は膨れ上がる。
こんな感じで地獄に落ちていくのだ。
そして僕が思うに仮想通貨も似たようなものだ。1万円しか買ってなかったのに放っておいたら1億になっていた。そんなおいしい話あるわけないと思いながらも一攫千金を夢見てお金をつぎ込む。そして増えていくお金をみて自分は投資のプロなんじゃないかと勘違いをし、どんどんどんどんお金をつぎ込んでゆく。そしてある日お金が消えてしまい、一文無しになっていたー。
こんなことが実際に起こってしまったのだ。
でもこの場合はまだマシで、お金が消えるだけで借金を抱えはしない。(借金して投資をしていたら別だが)
恐ろしいのは自分の持つ以上のお金を失う場合だ。
1つ例を挙げると、信用取引というものがある。例えば100万円しか持っていなかったらもちろん100万円分しか投資することはできないが、4倍の信用取引が認められたら100万円で400万円分の投資ができるようになるのである。
もちろんこれはリスキーだ。この場合、いつまでも投資先の通貨を保持することはできず、もし担保が下限を下回ると、強制的にお金を回収されてしまう。
つまり大幅に値が下がった時に手元に置いて復活を待つことができず、無理やり持って行かれてしまい損が出てしまうということだ。
さらに恐ろしいのが、もし400万円分の資産が200万円になってしまった場合、100万-200万=-100万円の負債を抱えることになってしまう。
自分の持ってるお金以上の損失が出てしまうのだ。
FXも似たようなもので、自分の持つ以上のお金を失うリスクが伴う。
今回取り上げた村上仁は、信用取引こそしていないが、自分の限度額を超える借金をし情報商材を買い、結果的に多額の負債を抱えてしまった。
とにかく、自分の持ってるお金以上の取引をすることは非常にリスキーで、できるだけやめておいたほうがいいと僕は思う。
仮想通貨にしても、ネットビジネスにも言えることだが、隣の芝生は青い。
コインチェックの件で大損している人がいるのも事実だが、早くに目をつけて巨万の富を得た人が実際にいるのも事実だ。そしてあなたの身近にも、安い時期に買い叩いておいて数十万儲けた人がいるかもしれない。
”あの時買っておけば...”
”なんであいつはうまくいくんだ...”
隣の芝生は常に青いのだ。
だがそこで泥沼にはまってはいけない。
今まで散々書いたように、お金は中毒作用が強い。村上仁も毎日毎日売り上げのグラフを眺めては一喜一憂し、一円でも多く儲けようと、悪事に手を染めてまでビジネスに固執した。彼のようにそれに人生がかかっているならばそれくらいしなければならないかもしれないが、大学生レベルの投資に関しては、それは時間の無駄ではないだろうか。
1日中チャートに張り付き、予測のつかない動きに心を煩わす。寝る前に総資産を確認し、朝目覚めると一番にスマホに手を伸ばし、一晩で何があったのか確認する。
こんなことになってはいないだろうか。
もちろん投資は個人の自由なのでそれはそれでいいのだが、僕としてはチャートを見るのは1日に2回程度にして、あらかじめ決めた利益が上がったら売却する、といったようにルールを決めておくのがいいのではないかと思う。
そして投資に当てるのは、もし0円になったって全然いいや!と思えるくらいの額にしたほうがいいと思う。実際僕は十数万を投資に当てたが、それは”もし0円になっても全然いいもんねえ〜”と思って入れたお金だ。これは強がりではなく本当のことだ。だから暴落とか今回の騒動を受けても、全く動じていない。チャートを見るのは朝と寝る前だけで、それ以外の時間は一切仮想通貨を気にせずに過ごしている。
僕は大学に入ってから、たくさんの社会人と会ってきた。そこでみなさん口を揃えていうのが、この世にうまい話なんてないということだ。これは本当にその通りで、もし誰でも簡単に儲けられる話があったら、絶対誰にも教えないだろう。
仮想通貨だって、必ず儲けられる保証はどこにもない。そのことを十分に理解しているなら、一日中仮想通貨のことばかり考えて気を病むのは時間の無駄とわかるのではないだろうか?だったらつぎ込むお金は、0になっても構わないと思える額にし、増えたらラッキー!ってなるくらいの感覚でやってみてはどうだろうか。そうすればお金の奴隷にならず、ネットの情報に左右されて不毛な時間を過ごすことはなくなる。
少なくとも全財産飛んで負債も抱えて人生終了。ってことにはならないのではないだろうか。
そして投資は自己責任だ。誰がどう言おうと決めるの自分。損をしたって、人のせいにはできない。今回のコインチェック事件だって、前もって会社を調べていれば、ちょっと危なくないか?と気がつくことは可能だったはずだ。自分の身は自分で守らなくてはならない。
お金はおっかねえ。そのことを今回の件を受けて改めて思い知った。自分で情報を見極め、決断を下せるようにしたい。
<追記>
①コインチェックの安全性は前もって調べていればわかったはずだと偉そうなことを書いていますが、筆者は全くリサーチしておらず、見事に損をしております。
②先ほど紹介した与沢翼さんは、現在仮想通貨に投資をしています。彼のイチオシはRippleです。興味のある方はぜひTwitterアカウントをのぞいてみてください。ただし投資は自己責任ですので、彼が推してるからという理由だけで買わず、色々な情報を検討することをお勧めします。ちなみに筆者は何も調べずに名前がかっこいいからという理由でとあるコインを買ってしまい、損しています。