ゴールデンウィークが終わりました。僕は相次いで予定がキャンセルされ、今まで生きてきた中でもっとも暇なゴールデンウィークを過ごしました。
小中高とずーっと部活があり、大学に入ってからも予定があったので何もないゴールデンウィークは新鮮でした。
少しブログに不具合があって更新することもできず、勉強する気も起きず、それならばと映画を見て過ごすことにしました。
三本観たのでそれぞれについて別の記事で紹介しようと思います。
まずはじめに観たのがこちら、”英国王のスピーチ”です。
2010年に公開されたこちらの映画、アカデミー賞では作品賞など四部門を受賞し、日本でも大ヒットしました。
舞台は第二次世界大戦前のイギリス。時の王、ジョージ五世に代わり大英帝国博物館閉会式の演説を任されたのは、息子のヨーク公アルバート王子でした。
しかしヨーク公の演説は大失敗。文章をまともに読めず、つっかえつっかえ何とか言葉を発する彼の姿は一国の王子としてはあまりに無様。会場に押しかけた何万もの聴衆は落胆します。
実はヨーク公は吃音症のため、スピーチは愚か人と話すことさえままならない状況だったのです。
吃音を治すため多くの医者を当たるエリザベス妃とヨーク公ですが、なかなか改善策が見つかりません。
そんな時出会ったのがオーストラリア出身の言語療法士、ライオネル・ローグでした。
彼の治療法はいたって斬新。イギリス王室の礼儀作法に反しヨーク公を愛称の”バーディー”で呼び、自分をローグ先生ではなく”ライオネル”と呼ばせます。
さらに大音量の音楽を聞かせて叫ばせたり、エリザベス妃をお腹の上に乗せて腹筋を鍛えたり、汚い言葉を連呼させたり。
最初は抵抗を示したヨーク公でしたが、次第にライオネルと打ち解けはじめ、徐々に吃音も改善されていきました。
ところが彼の父、ジョージ五世が急逝。ヨーク公の兄、デイヴィッド王子があとを継ぎますが、女遊びが激しく、離婚歴のある女性との結婚を望んでいた彼がイギリス王室にとって良くない評判を立たせることは明らかでした。
父の死と兄の素行不良によりヨーク公の即位が濃厚になった矢先、海の向こうの国ドイツではナチスが台頭。圧倒的な演説とカリスマ性で民衆を指導するヒトラーと一触即発。二度目の世界大戦が近づいていました。
果たしてヨーク公は吃音を克服し、国王として国民を導けるのか。彼とライオネルの奮闘を描いた感動のヒューマンドラマが”英国王のスピーチ”です。
僕がこの映画を観て感じたのは”スピーチ”の重要性です。自分の経験からしてもそうですが、スピーチには人を変える力があります。
実際、話が上手い教授の授業はわかりやすく、下手な人の授業はただただ眠く集中しても理解できません。
特に大学の先生というのは授業をするのが本業ではありませんから、話が下手な人は本当に下手で、扱ってる内容は高尚なものなのでしょうが全くついていくことができません。
いいスピーチが人の心を変えるいい例はTED talksです。
英語学習の一環としてTEDを観ている方はたくさんいると思いますが、ここで登壇されている方は学者としても高名かつ、スピーチのテクニックにも目を見張るものがあります。
TEDでもっとも再生されているのがケン・ロビンソン氏のこのプレゼンです。
内容の説得力もさることながら論理の展開、強調の仕方、間の取り方まで非常に洗練されています。
観客の反応も上々。TED再生回数の最たる所以がわかると思います。
次に僕が例にあげたいのは実際に”英国王のスピーチ”劇中で登場したヒトラーの演説です。
劇中には大きな演説を控えたヨーク公一家がヒトラーの演説にすっかり感心してしまう場面があります。
確かにヒトラーの演説は、失意のどん底にあったドイツ国民に民族意識を強め再び世界の列強にのし上がる情熱を持たせるほどの迫力がありました。
当時吃音に悩まされたヨーク公からしては、敵国ながら身振りや怒号を巧みに操り民衆を導く彼の姿には感服したことでしょう。
僕自身、スピーチやプレゼンはかなり得意な方です。ですが自信があるがゆえにテクニックを磨くのを怠り、自己評価と他人の評価に食い違いが生じているかもしれません。
ヨーク公は吃音と戦い、いいスピーチをするためにライオネル、エリザベス妃、その他多くの人のアドバイスを受け練習を積みました。
僕も自分1人で練習をして満足するのではなく、人にスピーチを観てもらいフィードバックを受けながら磨いていきたいと思います。
いいスピーチは人を変える。
そんなことを再確認した映画でした。
ちなみに”英国王のスピーチ”はAmazon Primeに登録すれば無料で見ることができます。ぜひ登録してみてください。
<Amazon Primeの魅力を紹介した記事>