ここ最近、というかここ何ヶ月かネットでは度々フェミニズムに関する発言が物議を醸し、泥沼の論争が続いている。
とはいっても中には目も当てられぬような意見も多い。往往にしてネットはそんなもんだ。顔を伏せて好きなことを言えるんだから何を言ってもいい。本当はそんなわけないのだが、実際には本気でそう思っている人もいるらしく、僕も度々泣きたくなるような誹謗中傷が匿名で送られてくる。ま、泣かないんだけど。
そんな訳で先日、キズナアイがNHKのノーベル賞解説サイトで使われ、果たして彼女の起用は適切だったのかとまたも騒動が起こった。
詳しくはこちらの記事をみて欲しい。
そもそもこのキズナアイってなんなの?って人のために簡単に説明すると、キズナアイはバーチャルYouTuberの一人であり、今日本でもっとも人気がある。そのバーチャルYouTuberとはCGのキャラクターに自分の動きや声を同化させたものであり、自身に装着したセンサーが自分の動きを感知し、CGで作成したキャラクターがそれと同じように動く。ものすごい技術だ。
さて、この騒動で問題点として指摘されたのは、主に以下の2点だ。
①キズナアイは性的に強調した描写であり不快
②キズナアイのノーベル賞の解説が不十分
今ネットで議論の的になっているのは①の方だろう。②のそもそものキズナアイの解説についてはあまり触れられていない。実際番組ではキズナアイはほとんど相槌しか打っておらず、そのような対応では解説役として番組に出るのはふさわしくないだろう。
しかしことを大きくしているのは①の方であり、やはり二次元のいわゆる萌え絵の性的表現を巡って議論の応酬が続いている。仮にキズナアイではなく、なんとか坂のアイドルとかが同じことをしていたとしても、ここまで炎上することはなかっただろう。
特に波紋を読んだのはこちらの弁護士の太田啓子氏のつぶやきだ。
NHKノーベル賞解説サイトでこのイラストを使う感覚を疑う。女性の体はしばしばこの社会では性的に強調した描写されアイキャッチの具にされるがよりによってNHKのサイトでやめて。このサイトで女性受賞者は少ないの?とか書いてるけどこれじゃ理由わかんないんだろう https://t.co/BlRyawbXaf pic.twitter.com/JwekrmMJHT
— 弁護士 太田啓子 (@katepanda2) 2018年10月2日
他にも様々な方面から個人の見解が。
特にこちらの画家の森次慶子さんの発言が炎上した。
言いがかりではないで。乳が半分見えてるのは、金玉が出てるのと同じよ。 https://t.co/Pd9vIE10VX
— Moritsugu Keiko 森次慶子 (@W_Fei_hung) 2018年10月4日
まがりなりにも専門家なので落ち着いて聞いてほしいんだけど、ゲームのキャラクターデザインのゾーニングで言えば、乳の線を描いただけで対象年齢が全年齢向けではなくなる国もある。なので国営放送としてこのキャラクターを使うのはハッキリ言ってダメ。だからNHKでキズナアイを使うのはおかしい。 https://t.co/KBsj3OtbC1
— Moritsugu Keiko 森次慶子 (@W_Fei_hung) 2018年10月4日
しつこい!オッパイの線を描いたらレイティングは上がるよって何度も言ってるんだが。ディズニーとキズナアイを見比べてみれば?お前は街で横乳がはみ出てる女なんて見たことあるんか?キズナアイも気持ち悪いし、お前も気持ち悪いんだよ。性欲丸出しで。お願いだから話しかけてくるなよ。 https://t.co/9PXoZLOob1
— Moritsugu Keiko 森次慶子 (@W_Fei_hung) 2018年10月8日
横乳見えとるやん。女からはキズナアイというキャラクターは頭の狂った痴女にしか見えないんやで。 https://t.co/sTwYWtKi2B
— Moritsugu Keiko 森次慶子 (@W_Fei_hung) 2018年10月5日
このリプ欄をみていただくとわかるように、Theインターネットと言った感じの救いようのないやりとりが行われているのがわかる。
森次さんもかなり極端なことを言ってるような気もするが、あくまで彼女の意見。放っておけばいいものの顔を真っ赤にして匿名で石を投げつけずにはいられない人もいるのだろう。中にはリプを直接送らずスクショを貼って叩いてるアカウントもあった。Twitterらしい。
そして先日10月11日は国際ガールズデーであり、あのハリーポッターでハーマイオニー役を務めたエマワトソンさんのスピーチがネットで話題になった。
エマ・ワトソン『女の子がやってはいけない一番悲しいことは、男性の為に頭の悪いふりをすることです。』
今日10/11は #国際ガールズデー #InternationalGirlsDay pic.twitter.com/rxcOQOP3Ob
— Emma Watson Japan🇯🇵 (@EmWatsonJP) 2018年10月11日
どうやらこの『女の子がやってはいけない一番悲しいことは、男性の為に頭の悪いふりをすることです。』という発言はソースが不明らしいが、ひとまず置いておこう。
この手の女性の権利に関する話題が出てくるとどうしても叩かずにはいられない人がいるらしく、実際ひどいコメントが多々見受けられた。
エマワトソンの『女性が男性のために頭の悪い振りをすることは悲しい』という名言がバズり、「馬鹿の方が可愛いだろ」「そんなの男も女も関係ない」というアホが余りにも多いので、彼女の国連の素晴らしいスピーチを置いときます。
彼女が見ている視野とあなたのクソ狭い視野を一緒くたにしないで。 pic.twitter.com/PUcTh6rGYg— 月子 (@gerorogokaku) 2018年10月12日
引用元をご覧ください。あなたのような男性にも、エマワトソンさんは手を差し伸べてくれてますよ^^ pic.twitter.com/JgrPzxaoV6
— 月子 (@gerorogokaku) 2018年10月12日
とにかく萌え絵の性的表現や、女性の権利に対する話題が出てくると必ず一悶着あるのがネットの世界だ。
今までもデートでサイゼリヤありなし論争は決着がついていないし、男が奢るべきか、いやいや奢らせる女は何様なんだバトルも毎日どこかで起きている。
さて、一連の話題について軽く説明したところで、僕の意見を書いていこうと思う。
僕はバカでアホでドジで間抜けなただの平凡な大学生であり、キズナアイが性的かどうかや、エマワトソンさんの発言は論理的に矛盾しているだとか、そんな小難しいことを考える頭は持ち合わせていない。
僕が言えることは、この一連の話題に反応する男性陣は絶対にモテないということだ。
ここから先は、デカすぎる「フェミニストVSそれが受け入れられない人」の泥沼の争いについては恐れ多くて何も物申せない僕が、それらの議論を自分が書きたいモテるかモテないかの議論にまで落とし込んだ内容である。
以下のつぶやきをみて欲しい。
男の運転がわかってないね〜
— むっちりむうむう (@uSKPLlCSpQzqkn9) 2018年10月12日
それは時代錯誤な考えだな
— LionHeartNo3 (@LionHeartNo3) 2018年10月12日
無礼を承知で言うが、僕は彼らは絶対にモテない部類に属すると思う。特定の人を取り上げるのは本当に申し訳ないのだが、思ったことを言わせていただきたい。
彼らのツイートの内容からしてもさっせることだが、とりわけ彼らに足りていないのは女性への尊敬だ。
これはどんなことでも当てはまるのだが、人の意見に大した理由もなく難癖をつける人間にろくな奴はいない。
特にネットの世界なんかはそうで、なんの理由もなしにいきなり攻撃的な文言を送ってくる人がいる。顔が見えなければなんでも言っていいと思っている奴らのことだ。
彼らに足りていないもの。それは相手へのリスペクト、尊敬だ。
この「尊敬」は友人関係や家族、上司と部下の関係でも当たり前だが大切なことだ。
そして何より恋愛において、この「尊敬」が足りていない人は絶対にモテない。
この相手への尊敬が足りていない人は、自分の理想を相手に押し付ける傾向があることが多い。
例えば僕の友達の女の子は、彼氏を部屋に泊め、近くのコンビニに出かける時ジャージで行こうとしたら「え、そんな格好で外出歩かないでよ。スカート履いてよ。」と言われ一瞬で冷めその場で別れたらしい。
これは至極まっとうな対応である。コンビニ行くのにスカートを履かせるような男とは今すぐ別れた方がいい。いや女の子側が吐きたいならいいと思うが、そんな面倒なことしたくないのに男側が押し付けてくるのは最悪だ。
この場合、その男性には相手に対するリスペクトが全くない。何を着ようが自由なのに、自分の中にある「女の子は外を出る時スカートを履かなきゃいけない」と言う勝手な理想像を押し付けたのだ。
これは先ほどのツイートとも同じで、彼らは「女の子はバカっぽく振る舞ったほうが可愛い」と言う理想像を勝手に押し付けている。リスペクト、尊敬が足りていない。残念ながらこれではモテる日は来ないだろう。
同じく先ほどのエマワトソンさんの発言のツイートのリプ欄にあったバクマンのとある場面も、これは...と言った内容だった。
バクマンのこれ嫌い pic.twitter.com/tHSJ33A0IB
— まちこ (@naninu_nenon) 2018年10月12日
明らかに自分の極端な価値観を押し付けている。思いやり、尊敬のかけらすらない。
もちろんこれが作者の考えではいなく、キャラに合わせて考えた発言の可能性もあるが、男の僕でも不快感を覚える内容だった。
さて、今でこそこんな上から目線の記事を書いているが、これを書けるのはかつての僕も相手へのリスペクトが足りていないダメな男だったからだ。
とにかく、対人関係を円滑に進めるには相手へのリスペクトが必要になる。フェミニスト発言以外でも、気に入らないつぶやきに食ってかかるような人は自己中心的極まりないし、勝手に自分の意見を押し付けていては嫌われる一方だ。
最後にもう一つだけ言わせてもらいたいのだが、萌え絵をリツイートする人も絶対にモテない。
僕は理系の学部にいて、他学科と比べオタクと言われる人が多い。
ツイッターでは互いにフォローしあっているのだが、彼らはよくいわゆる萌え絵をリツイートしてくるのだ。
例えばこんな絵が回ってくる。
今日も全体的に黒いおねーさんに癒してもらうんだ。 pic.twitter.com/9syX6xDQZV
— 鬼猫 (@onineko_666) 2018年5月11日
先ほどの太田弁護士や森次さんが見たら発狂しそうな絵である。ただこれはまだまともな方で、実際その友人は露骨な性行為のイラストや明らかに気分を害するようなエログロ画像も大量にリツイートしてくるのだ。
僕は全体的に黒いおねーさんも好きだし、こんな人がいたらぜひ仲良くしたい。が、さらに過激な性行為のイラストを回されるのには辟易している。
ただこれに関しても僕は黒歴史がある。
何を隠そう、僕もかつては萌え絵を見てムスコと戯れるようなオタクの時代があったからだ。
当時の僕はフォロワーに女の子がいようがいまいが関係なく過激な絵をリツイートしていた。
オタクな俺かっけえだろ!的なノリだったのだ。
しかし残念ながらそれは間違いだった。
過激な絵をリツイートする僕は決してサブカルチャーの海を縦横無尽に駆け抜ける勇者ではなく、ただのキモオタとして周りの目には映っていた。
今でこそオタクを脱したが、あの時の愚行については思い出すだけで顔が赤くなる。
(ちなみにオタクをやめた記事を書いたらコメント欄が盛大に荒れた)
当時の僕と、萌え絵というか過激な性描写をリツイートする彼に足りていないもの。
それも尊敬だ。
僕らは決して一人でインターネットを使っているわけではなく、自分の投稿を見る多くの人がいて初めてSNSは成り立つ。
そこを誤解して、不快に思うひとがいることを考えず好き放題騒ぐことは間違った行為なのだ。
相手に対する尊敬がない行為をする人は、絶対にモテない。
自分一人で楽しんだり、趣味垢を作ってそこで騒ぐならいいにしても、モテるという観点からすると公共の場でそう言ったことをするのは適切ではない。あくまでモテたいと思っている場合のことだけど。
実際その友人は自分と趣味が近いと勝手に思っている女の子にアピールするためにエロい絵を回していると言っていた。しかし残念ながらその子に聞いて見たところ、キモすぎてすぐミュートしたと言っていた。勝手に相手の好みを予想して自分の趣味を押し付けた彼の戦略ミスである。やはり相手へのリスペクトが足りてないのだ。
長くなったが、結局僕がいいたいのは、
①フェミニスト発言をこぞって叩く人は相手へのリスペクトが足りていない
②相手へのリスペクトがない人は自分の理想を押し付けがちで、そういう人はモテない
の2点だ。かと言って二次創作は個人の趣味でもあるし、それすらも性的だと叩くのはちょっと違う気もするが、時と場合を選べということなのかもしれない。
僕もそのことを肝に命じて生きていきたい。
あ、個人的にはキズナアイちゃん、すごい可愛いと思います。
<参考記事>